問題
定期建物賃貸借における期間と終了通知に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はオです。
「普通借家から定期借家への切替えは賃借人の同意なしに行える」という記述が誤りです。
既存の契約を賃借人の同意なく定期借家に変えることはできません。さらに、定期借家制度を導入した法律(良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法)の附則3条により、制度施行(平成12年3月1日)前に締結された居住用建物の賃貸借は、合意で終了させて同じ建物で定期借家を結び直すことも、当分の間できません。「入居中の賃借人が更新なしの契約に変えられる」不利益から賃借人を守るためです。
アの「定期借家は1年未満の期間も有効」は38条1項の正確な内容(29条1項の除外)。
エの遅れた通知の効果(通知後6ヶ月で終了)は38条6項の正確な内容です。
定期借家の終了通知の整理(38条6項):
| 期間 | 通知義務 | 通知期間 |
|---|---|---|
| 12ヶ月以上(1年以上) | あり | 期間満了の12ヶ月前〜6ヶ月前の間 |
| 12ヶ月未満(1年未満) | なし(通知なしで期間満了で終了) | — |
| 通知を失念した場合 | 遅れた通知後6ヶ月経過で対抗可能 | 38条6項ただし書 |
普通借家→定期借家への切替えの制限(附則3条):
- 平成12年3月1日より前に締結された居住用の普通借家:合意で終了させても、同じ建物で定期借家を結び直すことは当分の間できない(良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法附則3条)
- 平成12年3月1日以後に締結された普通借家・事業用建物:附則3条の対象外(賃借人の合意と38条の書面・事前説明の要件を満たせば、新たに定期借家として契約できる)
- いずれの場合も、賃借人の同意なく切り替えることはできない
各選択肢の整理:
- ア(正): 38条1項が29条1項の適用を除外→1年未満の定期借家も有効。
- イ(正): 38条6項の通り。1年以上の定期借家は12ヶ月前(開始)〜6ヶ月前の通知が必要。
- ウ(正): 1年未満の定期借家は通知義務なし。
- エ(正): 38条6項ただし書「建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない」の通り。
- オ(誤): 賃借人の同意なしに既存の契約を定期借家に切り替えることはできない。さらに平成12年3月1日より前に締結された居住用の普通借家は、合意があっても当分の間切り替えられない(附則3条)。
【定期借家の活用と普通借家への変換リスク—実務上の落とし穴と対策】
定期借家制度は「期間満了で確実に終了させたい」というオーナーのニーズに応える制度ですが、要件不備による「普通借家への変換リスク」が実務上の最大の課題です。
「普通借家に変換」してしまう4つのパターン:
1. 事前説明書面なし(または書面が契約書と一体)→38条3項違反→普通借家
2. 「更新しない旨の定め」の記載なし→38条1項要件不備→普通借家
3. 書面(または電磁的記録)によらない口頭契約→38条1項要件不備→普通借家
4. 事前説明のタイミングが契約後→38条3項違反→普通借家
普通借家に変換した場合の実務的影響:
- 「3年定期借家で貸した(自分が戻ってきたい)」のはずが普通借家→退去させるには正当事由が必要
- 定期借家として賃料を安く設定していた→普通借家として継続→賃料増額交渉が必要に
- サブリース業者との関係(定期借家想定のスキーム)が崩れる
「切替え禁止」の附則の詳細(居住用建物の場合):
定期借家制度を導入した「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」(平成11年法律第153号)の附則3条は、制度の施行(平成12年3月1日)前にされた居住用建物の賃貸借の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、定期建物賃貸借(借地借家法38条)の規定を適用しないとしています。
これにより:
- 平成12年3月1日より前から存在する居住用の普通借家→合意しても、同じ建物での定期借家への切替えは不可
- 平成12年3月1日以後に締結した普通借家→附則3条の対象外。賃借人の合意と38条の要件(書面・事前説明)を満たせば、新たに定期借家として契約できる
- 事業用建物→附則3条の対象外
定期借家の「通知忘れ」への実務的対処:
管理会社が終了通知を失念した場合:
- 気づいた時点で「遅れた終了通知」を内容証明郵便で送付
- 通知日から6ヶ月後に契約終了(遅れただけで無効にはならない)
- ただし通知が期間満了後になった場合、「期間満了から通知まで」の期間は契約が継続したとみなされる期間になる可能性がある
管理会社として「定期借家の終了通知を期間満了の12ヶ月〜6ヶ月前に確実に行う」ためのカレンダー管理・アラート設定が最重要な実務管理業務の一つです。
根拠: 借地借家法38条・附則(e-Gov 法令検索)。
一次数値: 終了通知の期間は期間満了の12ヶ月前から6ヶ月前まで(借地借家法38条6項)出典: e-Gov、確認日2026-06-10。
- 借地借家法第38条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法38条(e-Gov 法令検索)、良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法附則3条 一次数値: 終了通知の期間は期間満了の12ヶ月前から6ヶ月前まで(借地借家法38条6項)出典: e-Gov、確認日2026-06-10 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

