賃管士 借地借家法 問18:借地借家法(定期借家)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
借地借家法39条(取壊し予定の建物の賃貸借)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア取壊し予定の建物の賃貸借(39条)は、建物の取壊し予定時期に関係なく、賃貸人が「取壊す予定」と言えば成立する。
- イ借地借家法39条の取壊し予定建物賃貸借は、建物を取り壊すべき事由を記載した書面によって締結しなければならない。
- ウ39条の賃貸借は、取壊し時点で当然に終了するが、取壊しが予定より遅れた場合は普通借家として継続する。
- エ取壊し予定の建物賃貸借(39条)は、定期建物賃貸借(38条)の一種であり、38条の要件(事前説明等)が適用される。
- オ法令または契約によって一定期間経過後に建物を取り壊すことが明らかな場合に、39条の取壊し予定建物賃貸借を締結することができる。正答
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正答はオです。
借地借家法39条(取壊し予定の建物の賃貸借)は「法令または契約によって一定期間経過後に建物を取り壊すことが明らかな場合」に限って使える特別な規定です。
「取壊す予定」と言えば何でも成立するわけではありません(アが誤り)。
また39条は定期借家(38条)とは別の制度です(エが誤り)。
イは正しいようですが「書面によって建物を取り壊すべき事由を記載する」という要件は39条に含まれますが、本問の問い方では「正しい」のはオです。
取壊しが「法令または契約によって明らか」な例:道路拡張のための収用(法令)・定期借地権の建物に関する取壊し(契約)等です。
借地借家法39条の要件・効果の整理:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 成立要件① 取壊し事由 | 「法令または契約によって一定期間経過後に建物を取り壊すことが明らか」な場合 |
| 成立要件② 書面 | 建物を取り壊すべき事由を記載した書面による契約 |
| 効果 | 建物取壊し時に賃貸借終了(法定更新・正当事由規定の適用除外) |
| 定期借家との違い | 39条は独立した特別規定(38条とは別)。38条の要件(事前説明等)は不要 |
「法令または契約によって一定期間経過後に建物を取り壊すことが明らか」な具体例:
- 法令による:都市計画法の事業認定・収用裁決が出ている・道路拡幅計画で取壊しが決定
- 契約による:定期借地権(50年後に建物を壊して土地を返還する)・建替え予定が契約で明示
各選択肢の整理:
- ア(誤): 「明らか」な要件が必要。単に「取壊す予定がある」では不十分。
- イ(正の内容・ただし最も正確はオ): 書面で取壊し事由を記載する要件はある(39条)。しかし「最も正確・完全な正しい記述」はオ。
- ウ(誤): 取壊しが遅れても「普通借家に転換」はしない。39条の根拠(法令または契約)が有効である限り、取壊し予定の賃貸借として継続。
- エ(誤): 39条は38条(定期借家)とは別の独立した規定。38条の要件は不要。
- オ(正): 39条1項の要件の正確な記述。「法令または契約によって一定期間経過後に建物を取り壊すことが明らかな場合」がキーワード。
【取壊し予定建物賃貸借(39条)の位置づけと実務活用—建替え・道路収用の場面での活用】
借地借家法39条は、「将来的に確実に取り壊される建物を、取壊しまでの期間だけ賃貸する」という場面で活用される特別な規定です。
「法令による取壊しが明らか」な場面:
1. 都市計画法に基づく道路拡幅・区画整理: 用地買収または収用裁決が決定し、数年後に建物が撤去されることが確定している場合
2. 土地区画整理事業: 施行区域内の建物が換地処分後に移転・取壊しが予定されている場合
3. 再開発事業: 市街地再開発事業の施行区域内で建物の建替えが法令上決定している場合
「契約による取壊しが明らか」な場面:
1. 定期借地権付き建物: 定期借地権(50年等)が満了した時点で建物を取り壊して土地を返還する契約→50年後に取り壊しが「契約によって明らか」
2. 建替え合意: 建物オーナーと土地オーナーが「5年後に建替え」という合意をしており、建替え合意が契約上確定している場合
39条 vs 38条(定期借家)の使い分け:
| 比較 | 39条(取壊し予定) | 38条(定期借家) |
|---|---|---|
| 適用場面 | 取壊し事由が法令または契約で明らか | 一般的に「更新なし」を望む場合 |
| 期間の定め | 取壊し時期まで(明示必要) | 任意の期間(1年未満も可) |
| 書面要件 | 取壊し事由の記載が必要 | 「更新なし」の記載が必要 |
| 事前説明 | 不要(38条3項の適用なし) | 必要(別書面交付+口頭説明) |
| 終了通知 | 不要(取壊し時に当然終了) | 1年以上の場合は通知必要(38条6項) |
39条の実務的な課題(「明らか」の証明問題):
「法令または契約によって取壊しが明らか」かどうかの証明が実務上の課題です。
証明方法の例:
- 法令による:都市計画決定の告示・収用裁決書・区画整理事業の施行規程
- 契約による:定期借地権設定契約書・建替え合意書(公正証書等で明確化)
「取壊し予定」という口頭の説明や、「将来的に取り壊すかもしれない」という曖昧な状況では39条の適用要件を満たさず、普通借家または定期借家の規定が適用されることになります。
管理会社として39条の取壊し予定建物賃貸借を取り扱う場合は「取壊し事由が法令または契約によって明らかであることの確認書類」を整備・保管することが最重要の実務義務です。
根拠: 借地借家法39条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-06-10。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法39条(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。