賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 借地借家法 問19借地借家法

問題

賃管士 | 借地借家法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

Aは自己所有の建物をBに賃貸している(定期建物賃貸借ではない)。Bは、近傍同種の建物の借賃に比較して借賃が不相当となったとして、Aに対し借地借家法32条1項に基づいて借賃の減額を請求したが、A・B間に協議が調わない。この場合に関する次のア〜オの記述のうち、借地借家法の規定によれば誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はオです。

借地借家法32条3項は、建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者(本問では賃貸人A)は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の借賃の支払を請求することができると定めています。裁判が確定するまでの借賃の額は、請求を受けたAが相当と認める額によります。減額を請求したBが自分で決めた額を支払えば足りるとするオは誤りです。

裁判で減額が認められ、Aが受け取った額が正当とされた額を超えていたときは、Aはその超過額に年10%の受領の時からの利息を付けて返還します(同項ただし書)。

借賃の増額・減額で協議が調わないとき(32条2項・3項)

増額の請求(2項)減額の請求(3項)
請求を受ける者賃借人賃貸人
裁判確定までの借賃請求を受けた賃借人が相当と認める額を支払えば足りる請求を受けた賃貸人が相当と認める額の支払を請求できる
裁判確定後の精算不足額に年10%の支払期後の利息を付けて支払う超過額に年10%の受領の時からの利息を付けて返還する

どちらの場合も、裁判確定までの基準は「請求を受けた者」が相当と認める額です。請求をした側が一方的に額を決めることはできません。

各選択肢の解説:

  • ア(正): 32条3項本文の条文どおり。
  • イ(正): 32条3項ただし書の条文どおり。利息は「受領の時から」付く。
  • ウ(正): 32条1項は「将来に向かって」借賃の額の増減を請求できると定めている。
  • エ(正): 32条1項は、租税その他の負担の増減、土地・建物の価格の上昇・低下その他の経済事情の変動、近傍同種の建物の借賃との比較の3つを挙げている。
  • オ(誤・正答): 裁判確定までの額は、請求を受けたAが相当と認める額による(3項本文)。

【32条の構造——請求の要件、協議が調わないときの扱い、精算】

1. 請求の要件(1項)

32条1項本文は、建物の借賃が、①土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、②土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は③近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、「契約の条件にかかわらず」、当事者は「将来に向かって」建物の借賃の額の増減を請求できると定めます(ウ・エ)。増額も減額も同じ条文に置かれ、賃貸人・賃借人のどちらも請求できます。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従います(1項ただし書)。

2. 協議が調わないときの扱い(2項・3項)

請求をしても相手が応じず協議が調わないときは、裁判で額が確定するまでの間、いくらの借賃をやり取りするかが問題になります。条文は増額と減額を書き分けています。

  • 増額(2項): 請求を受けた賃借人は、増額を正当とする裁判が確定するまで、相当と認める額の借賃を支払うことをもって足ります。
  • 減額(3項): 請求を受けた賃貸人は、減額を正当とする裁判が確定するまで、相当と認める額の借賃の支払を請求することができます。

両項に共通するのは、裁判確定までの基準が「請求を受けた者」が相当と認める額だという点です。減額を請求した賃借人Bが、自分の考える減額後の額だけを支払えば足りるわけではありません。オはこの点を取り違えています。

3. 裁判確定後の精算と利息

2項ただし書は、既に支払った額に不足があるときは、不足額に年10%の割合による「支払期後」の利息を付けて支払うと定めます。3項ただし書は、既に支払を受けた額が正当とされた額を超えるときは、超過額に年10%の割合による「受領の時から」の利息を付けて返還すると定めます(イ)。暫定の額を決めた側が、裁判の結果との差額を利息付きで精算する仕組みです。

4. 定期建物賃貸借との関係

38条9項は、定期建物賃貸借において借賃の改定に係る特約がある場合には、32条を適用しないと定めています。本問は定期建物賃貸借ではないので、32条がそのまま適用されます。

5. 管理実務での扱い

賃借人から減額の請求を受けたときは、協議の経過を記録し、裁判確定までは賃貸人が相当と認める額を請求できること(3項本文)をオーナーと確認します。あわせて、裁判で減額が認められれば、受け取りすぎた分に年10%の利息を付けて返還する義務が生じること(3項ただし書)も、オーナーにあらかじめ説明しておきます。

根拠: 借地借家法32条1項・2項・3項、38条9項(e-Gov 法令検索)。確認日2026-09-30。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法32条1項・2項・3項、38条9項(e-Gov 法令検索、現行条文) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-09-30(e-Gov 法令API v2 で借地借家法〈2026-05-21施行の現行版〉の全文を取得して確認) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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