問題
借地借家法27条(建物賃貸借の解約申入れ)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエです。
「予告期間を特約によって短縮できる」という記述が誤りです。借地借家法27条を含む「建物賃貸借の更新等」の節の規定に反する特約で賃借人に不利なものは無効とされます(借地借家法30条)。
借地借家法の多くの規定は「賃借人に不利な特約を無効」とする強行規定的性格を持ちます。「6ヶ月前」という予告期間は最低限の保護であり、短縮は認められません。
アは27条1項の正確な記述。ウの賃借人からの3ヶ月前申入れは民法617条1項2号の正確な記述です。
借地借家法27条の解約申入れの整理:
| 主体 | 解約申入れの予告期間 | 正当事由の要否 |
|---|---|---|
| 賃貸人(貸主)から | 6ヶ月前(借地借家法27条1項) | 必要(28条) |
| 賃借人(借主)から | 3ヶ月前(民法617条1項2号) | 不要 |
借地借家法30条(強行規定)の適用:
「この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする」(30条。26条〜29条を含む第3章第1節に適用)
→ 賃貸人側の解約申入れの6ヶ月という予告期間を「2ヶ月前でよい」等の短縮特約は無効。
各選択肢の整理:
- ア(正): 27条1項の通り。賃貸人からの申入れは6ヶ月経過で終了。
- イ(正): 27条1項の申入れに加えて28条の正当事由が必要。
- ウ(正): 民法617条1項2号の通り(借地借家法に賃借人からの申入れ期間の定めはない)。賃借人からは3ヶ月→賃貸人(6ヶ月)より短い。
- エ(誤): 6ヶ月という予告期間は賃借人保護の規定であり、短縮特約は賃借人に不利なので無効(30条)。「特約によって短縮できる」は誤り。
- オ(正): 法定更新→期間の定めなし(26条1項ただし書)→27条の解約申入れルールが適用される。
【借地借家法の「強行規定性」—賃借人保護規定を特約で変更できないルールの全体像】
借地借家法の各規定は「賃借人に不利な変更を禁止する」という強行規定的性格を持つものと、「当事者が合意で変更可能」という任意規定的性格を持つものがあります。
主要な「賃借人に不利な変更は無効」(強行規定的)な規定:
| 規定 | 内容 | 賃借人に不利な特約の効力 |
|---|---|---|
| 26条(法定更新) | 更新拒絶には正当事由 | 「正当事由なしで更新しない」特約→無効 |
| 27条(解約申入れ期間) | 賃貸人からの6ヶ月前 | 6ヶ月より短縮する特約→無効 |
| 28条(正当事由) | 更新拒絶・解約申入れには正当事由 | 「正当事由不要」特約→無効 |
| 31条(対抗要件・引渡し) | 引渡しで対抗可能 | 対抗要件を排除する特約→無効 |
| 33条(造作買取請求権) | 造作の買取請求権 | 任意規定(特約で排除可能) |
| 36条(内縁配偶者承継) | 相続人なし死亡の場合の承継 | 37条の列挙に含まれない(なお1か月以内に反対の意思表示ができるのは同居者であり、賃貸人ではない) |
賃借人に有利な変更は有効(任意規定的な範囲の「下限」を上げる):
強行規定は「賃借人に不利な方向への変更を禁止」するものであり、「賃借人に有利な方向への変更」は当然可能です。
例:「賃借人からの解約申入れは3ヶ月前だが、特約で1ヶ月前に短縮する」→賃借人に有利→有効
例:「賃貸人からの解約申入れは6ヶ月前だが、特約で12ヶ月前に延長する」→賃借人に有利→有効
法定更新後の「期間の定めなし」と解約申入れの実務:
法定更新後(26条1項ただし書)に「期間の定めなし」になった後の終了方法:
1. 賃貸人からの解約申入れ: 27条1項・6ヶ月前+正当事由(28条)→最も困難な手順
2. 賃借人からの解約申入れ: 民法617条1項2号・3ヶ月前→賃借人が自発的に退去する場合
3. 合意解除: 双方の合意→立退料・敷金精算を含めた協議で合意→最も円滑な解決
「法定更新後は期間の定めなしになってしまうので、次回の更新時には合意更新書を取り交わして期間を再設定する」という管理実務が重要です。合意更新書によって期間を再設定することで、次の更新拒絶の機会(通知期間)を明確にできます。
根拠: 借地借家法26条・27条・28条・30条・37条、民法617条(e-Gov 法令検索)。
一次数値: 解約申入れの期間6ヶ月(借地借家法27条1項)出典: e-Gov、確認日2026-06-10。
- 借地借家法第27条・第30条・第26条e-Govで原文を読む
- 民法第617条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法27条(e-Gov 法令検索) 一次数値: 解約申入れの期間6ヶ月(借地借家法27条1項)出典: e-Gov、確認日2026-06-10 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

