賃管士 借地借家法 問8:借地借家法(借家契約の基本)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
借地借家法27条(建物賃貸借の解約申入れ)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア期間の定めのない建物賃貸借において、賃貸人が解約を申し入れる場合は6ヶ月前ヶ月の予告期間が必要であり、申入れから6ヶ月前ヶ月経過して初めて賃貸借が終了する。
- イ期間の定めのない建物賃貸借において、賃貸人からの解約申入れには正当事由(28条)が必要であり、正当事由のない解約申入れは効力を生じない。
- ウ期間の定めのない建物賃貸借において、賃借人が解約を申し入れる場合は3ヶ月前の予告で足りる。
- エ期間の定めのない建物賃貸借において、賃貸人からの解約申入れの予告期間(6ヶ月前ヶ月)は、特約によって短縮することができる。正答
- オ期間の定めのある建物賃貸借(普通借家)が期間満了後に法定更新されると「期間の定めなし」となり、その後の終了は27条の解約申入れによる。
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正答はエです。
「予告期間を特約によって短縮できる」という記述が誤りです。借地借家法27条の規定は借主保護の強行規定であり、賃借人に不利な特約(予告期間を短縮する等)は無効とされます(借地借家法37条による特約制限)。
借地借家法の多くの規定は「賃借人に不利な特約を無効」とする強行規定的性格を持ちます。「6ヶ月前ヶ月前」という予告期間は最低限の保護であり、短縮は認められません。
アは27条2項の正確な記述。ウの賃借人からの3ヶ月前申入れは27条1項の正確な記述です。
借地借家法27条の解約申入れの整理:
| 主体 | 解約申入れの予告期間 | 正当事由の要否 |
|---|---|---|
| 賃貸人(貸主)から | 6ヶ月前ヶ月前(27条2項) | 必要(28条) |
| 賃借人(借主)から | 3ヶ月前(27条1項) | 不要 |
借地借家法37条(強行規定性)の適用:
「この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする」(借地借家法37条の類推適用・または借家人保護の強行規定性から)
→ 賃貸人側の解約申入れの6ヶ月前ヶ月という予告期間を「2ヶ月前でよい」等の短縮特約は無効。
各選択肢の整理:
- ア(正): 27条2項の通り。賃貸人からの申入れは6ヶ月前ヶ月経過で終了。
- イ(正): 27条2項の申入れに加えて28条の正当事由が必要。
- ウ(正): 27条1項の通り。賃借人からは3ヶ月前→賃貸人(6ヶ月前ヶ月)より短い。
- エ(誤): 6ヶ月前ヶ月という予告期間は賃借人保護の規定であり、短縮特約は無効。「特約によって短縮できる」は誤り。
- オ(正): 法定更新→期間なし→27条の解約申入れルールが適用される(26条2項の効果)。
【借地借家法の「強行規定性」—賃借人保護規定を特約で変更できないルールの全体像】
借地借家法の各規定は「賃借人に不利な変更を禁止する」という強行規定的性格を持つものと、「当事者が合意で変更可能」という任意規定的性格を持つものがあります。
主要な「賃借人に不利な変更は無効」(強行規定的)な規定:
| 規定 | 内容 | 賃借人に不利な特約の効力 |
|---|---|---|
| 26条(法定更新) | 更新拒絶には正当事由 | 「正当事由なしで更新しない」特約→無効 |
| 27条(解約申入れ期間) | 賃貸人からの6ヶ月前ヶ月前 | 6ヶ月前ヶ月より短縮する特約→無効 |
| 28条(正当事由) | 更新拒絶・解約申入れには正当事由 | 「正当事由不要」特約→無効 |
| 31条(対抗要件・引渡し) | 引渡しで対抗可能 | 対抗要件を排除する特約→無効 |
| 33条(造作買取請求権) | 造作の買取請求権 | 任意規定(特約で排除可能) |
| 36条(内縁配偶者承継) | 相続人なし死亡の場合の承継 | 任意規定(賃貸人が1ヶ月以内に反対可) |
賃借人に有利な変更は有効(任意規定的な範囲の「下限」を上げる):
強行規定は「賃借人に不利な方向への変更を禁止」するものであり、「賃借人に有利な方向への変更」は当然可能です。
例:「賃借人からの解約申入れは3ヶ月前だが、特約で1ヶ月前に短縮する」→賃借人に有利→有効
例:「賃貸人からの解約申入れは6ヶ月前ヶ月前だが、特約で12ヶ月前に延長する」→賃借人に有利→有効
法定更新後の「期間の定めなし」と解約申入れの実務:
法定更新後(26条2項)に「期間の定めなし」になった後の終了方法:
1. 賃貸人からの解約申入れ: 27条2項・6ヶ月前ヶ月前+正当事由(28条)→最も困難な手順
2. 賃借人からの解約申入れ: 27条1項・3ヶ月前→賃借人が自発的に退去する場合
3. 合意解除: 双方の合意→立退料・敷金精算を含めた協議で合意→最も円滑な解決
「法定更新後は期間の定めなしになってしまうので、次回の更新時には合意更新書を取り交わして期間を再設定する」という管理実務が重要です。合意更新書によって期間を再設定することで、次の更新拒絶の機会(通知期間)を明確にできます。
根拠: 借地借家法26条・27条・28条・37条(e-Gov 法令検索)。
一次数値: KAIYAKU_MOUSHIIRE_MONTH=6(借地借家法27条2項)出典: e-Gov、確認日2026-06-10。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法27条(e-Gov 法令検索) 一次数値: KAIYAKU_MOUSHIIRE_MONTH=6(借地借家法27条2項)出典: e-Gov、確認日2026-06-10 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。