問題
期間の定めのない建物賃貸借において、賃借人側からの解約申入れに関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はウです。
賃借人(借主)が解約を申し入れる場合の予告期間(3ヶ月)は、「賃借人に有利な変更(短縮)は可能」という考え方から、特約で「1ヶ月前でよい」とすることができます。これは賃借人に有利な変更であるため、借地借家法の強行規定性(賃借人に不利な変更禁止)に反しません。
アは誤りで、建物の賃貸借は解約申入れの日から3か月を経過することによって終了します(民法617条1項2号)。1か月ではありません。
エ・オは誤りで、賃借人の解約申入れに賃貸人の同意は不要です(一方的な意思表示で足り、同意がなくても3か月経過で終了)。
賃借人の解約申入れ(期間の定めなし)の整理:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 民法617条1項2号(借地借家法には賃借人からの解約申入れ期間の規定はない) |
| 予告期間 | 「解約の申入れの日から…三箇月」を経過することによって終了 |
| 賃貸人の同意 | 不要(一方的な意思表示で足りる) |
| 特約による短縮 | 可能(賃借人に有利な変更のため強行規定性に反しない) |
| 特約による延長 | 可能(賃借人に不利な変更であれば場合による・3ヶ月超にする特約は無効の可能性) |
民法617条と借地借家法27条の関係:
| 区分 | 民法617条 | 借地借家法27条 |
|---|---|---|
| 適用対象 | 一般の賃貸借(建物・土地・動産) | 建物の賃貸借 |
| 賃借人の申入れ期間 | 建物:3ヶ月(617条1項2号) | 規定なし(民法617条による) |
| 賃貸人の申入れ期間 | 建物:3ヶ月(617条1項2号) | 6ヶ月(27条1項)+正当事由(28条)=民法を修正 |
各選択肢の整理:
- ア(誤): 民法617条1項2号により、申入れの日から3か月を経過して終了。1か月ではない。
- イ(誤): 借地借家法27条1項は賃貸人からの解約申入れ(6か月で終了)の規定であり、賃借人からの申入れ期間を定めたものではない。
- ウ(正): 賃借人に有利な変更(予告期間の短縮)は可能。
- エ(誤): 賃貸人の同意不要。解約申入れは一方的な意思表示。
- オ(誤): 解約申入れは一方的な意思表示で効力を生じ、賃貸人の同意は不要。賃貸人が同意しなくても3か月経過で終了する。
【賃借人の解約申入れの実務—管理会社の役割と手続きの注意点】
賃借人が「退去します」という意思表示をした場合、管理会社(管理業者)は以下の手続きを行います。
退去通知受理後の管理会社の標準的な手順:
1. 退去通知の確認: 書面・口頭・メール等での退去通知の形式と日付を確認
2. 予告期間の確認: 3ヶ月前(または特約の期間)に合わせた退去日の確認
3. 退去日の調整: 賃借人の都合と管理業務の整合(退去立会日の調整等)
4. 解約通知書の送付: 正式な解約の記録として書面を賃借人に送付(解約受理通知)
5. 退去立会の設定: 退去日に合わせた立会日程の調整
6. 敷金精算の準備: 業者見積もり・ガイドラインに基づく精算書の作成
「口頭退去通知」のリスク:
賃借人が口頭で「来月末で引っ越します」と言ったが、実際には引っ越さなかったという事例があります。
- 口頭の解約申入れも法律上有効(賃貸借は諾成・要式不要)だが、後で「言ったかどうか」を巡って争いになるリスクがある
- 管理会社は「解約申入れ日・退去日を書面で確認する」という手続きを徹底することで、後のトラブルを防止
「予告なし即日退去」の問題:
賃借人が「今日で出ていきます(予告なし)」という場合:
法律上:解約申入れ日から3ヶ月が経過しないと賃貸借は終了しないため、賃借人は退去してもなお3ヶ月分の賃料支払義務が残る可能性がある。
ただし:
- 「即日退去」に賃貸人(オーナー)が同意した場合は「合意解除」として処理可能
- 「即日退去+敷金の精算請求」という場合、3ヶ月の賃料相当額を敷金から控除した後の残額を返還するという処理も可能性がある
管理会社として「突然の退去申し出→まず冷静にオーナーの意向を確認→合意解除か3ヶ月の賃料継続かを判断」という対応フローが重要です。
特約による短縮(1ヶ月前等)の実務活用:
「賃借人は1ヶ月前に通知すれば退去できる」という特約は実務上多くの賃貸借契約に盛り込まれています。賃借人にとって「3ヶ月前に通知しなければならない」という制約が緩和され、転職・転勤等への対応が容易になります。
一方でオーナー側にとっては空室期間が長くなるリスクがありますが、多くのオーナーは「賃借人の出やすさが入りやすさにつながる」という考えから1ヶ月前の特約を受け入れています。
根拠: 借地借家法27条1項(e-Gov 法令検索)、民法617条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-06-10。
- 民法第617条e-Govで原文を読む
- 借地借家法第27条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法617条1項2号・借地借家法27条1項(賃貸人からの申入れ)・30条(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

