問題
報酬の定めのある管理委託契約(準委任契約)が、受任者である管理業者の責めに帰することができない事由により、契約期間の中途で終了した場合の報酬請求権に関する次の記述のうち、民法の規定に照らして最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
委任(準委任を含む)で報酬を支払う約束がある場合、委任が履行の途中で終わったときは、受任者は既に行った履行の割合に応じて報酬を請求できます(民法648条3項2号・656条)。アのように報酬がまったくもらえないわけではなく、イのように残りの期間の分まで全額もらえるわけでもありません。エの違約金は、そのような合意がなければ請求できません。正答はウです。
民法648条は受任者の報酬について、1項で「特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない」、2項で報酬を受けるべき場合でも「委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない」(期間によって報酬を定めたときは624条2項を準用し、その期間を経過した後に請求できる)と定めています。そして3項は、①委任者の責めに帰することができない事由によって委任事務の履行をすることができなくなったとき(1号)、②委任が履行の中途で終了したとき(2号)には、受任者は「既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる」と定めています。これらは準委任にも準用されます(656条)。本問は契約が中途で終了した場面なので、3項2号により既にした履行の割合に応じた報酬を請求できます(ウ)。アの「まったく請求できない」、イの「残りの期間分も含めた全額」はいずれも648条3項と合いません。正答はウです。
委任の報酬には2つの型があります。①履行割合型(648条):事務の処理そのものに対して報酬を支払う型で、後払いが原則です(2項本文)。期間によって報酬を定めたときは、その期間を経過した後に請求できます(2項ただし書・624条2項)。委任者の責めに帰することができない事由で履行できなくなったとき、又は委任が履行の中途で終了したときは、既にした履行の割合に応じて報酬を請求できます(3項)。②成果完成型(648条の2):委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うと約した場合で、成果が引渡しを要するときは報酬は引渡しと同時に支払われ(1項)、中途終了の扱いは請負の634条が準用されます(2項)。634条は、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときに、その利益の割合に応じた報酬を認める規定なので、単純な「履行の割合」とは基準が異なります。選択肢ウが成果完成型の約定を除いているのはこのためです。月額で定める管理委託業務費は、毎月の事務処理に対する履行割合型の報酬と考えるのが自然です。なお、648条3項2号は中途終了の原因を限定していないため、報酬の割合請求そのものは終了の原因を問いません。ただし、受任者の側に債務不履行がある場合には、委任者から受任者への損害賠償請求(415条)が別に問題になります。また、エの違約金は当事者の合意(違約金条項)があって初めて発生するもので、合意がなければ請求できません。管業試験では、648条(履行割合型)と648条の2(成果完成型)の違いと、中途終了時の報酬の扱いがあわせて問われます。正答はウです。
- 民法第648条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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