問題
管理業者が、管理組合から代理権を付与されて委託を受けた事務の一部について、管理組合の許諾を得て、代理権を有する第三者(再委託先)を復受任者として選任した場合の法律関係に関する次の記述のうち、民法の規定に照らして最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
代理権を与えられた受任者(管理業者)が、代理権を持つ復受任者(再委託先)を選んだときは、復受任者は委任者(管理組合)に対して、その権限の範囲内で受任者と同じ権利を持ち、同じ義務を負います(民法644条の2第2項)。イのように何の権利義務も生じないわけではありません。ウは、管理組合の許諾かやむを得ない事由が必要なので誤りです。エは、再委託しても管理業者が管理組合に対する契約上の責任から外れるわけではないので誤りです。正答はアです。
民法644条の2は、1項で「受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない」と定め、2項で「代理権を付与する委任において、受任者が代理権を有する復受任者を選任したときは、復受任者は、委任者に対して、その権限の範囲内において、受任者と同一の権利を有し、義務を負う」と定めています。本問は、代理権を付与された管理業者が、管理組合の許諾を得て、代理権を有する再委託先を選任した場面なので、2項により再委託先は管理組合に対して管理業者と同一の権利義務を持ちます(アが正しい)。ウは1項の要件(許諾又はやむを得ない事由)を無視しており誤りです。エについて、管理業者は再委託後も管理組合との委託契約の当事者であり続けます。標準管理委託契約書4条2項も、再委託した場合には管理業者が再委託した管理事務の適正な処理について管理組合に責任を負うと定めています。正答はアです。
再委託先を民法上の「復受任者」として整理すると、次の3点が問われます。①選任の要件(644条の2第1項):委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときに限られます。管理委託契約では、標準管理委託契約書4条1項が、別紙1に従って第三者に再委託できると定めており、契約で再委託の範囲をあらかじめ合意しておく形がとられています。②復受任者と委任者の直接の関係(644条の2第2項):この規定が働くのは「代理権を付与する委任」で「代理権を有する復受任者」を選任した場合です。清掃のように代理権を伴わない事務だけを再委託する場合には、この規定による直接の権利義務は生じません。本問の設問がわざわざ代理権の付与を前提にしているのはこのためです。③受任者自身の責任:復受任者を選任しても、管理業者は管理組合との委託契約の当事者のままで、委託事務の処理についての債務を負い続けます。標準管理委託契約書4条2項は、乙(管理業者)は再委託した管理事務の適正な処理について甲(管理組合)に責任を負うと明記し、同条のコメントも、再委託する場合でも管理業者は自らの責任と管理体制の下で処理すべきものとしています。このほか、民法とは別に、マンション管理適正化法74条は「基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならない」と定めており、再委託の場面では民法の一般原則(644条の2)と適正化法の規制(74条)の両方を確認する必要があります。正答はアです。
- 民法第644条の2e-Govで原文を読む
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律第74条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

