管業 管理委託契約・実務 問31:基幹事務
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
標準管理委託契約書に定める管理費等の滞納への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ア管理業者は、滞納者に対して訴訟を提起する権限を持ち、管理組合の委任なく法的手続きを取ることができる。
- イ管理業者による督促業務は文書または電話による督促に限られ、訴訟提起や支払督促等の法的手続きは管理組合自身が行うものとされている。正答
- ウ管理業者は、督促を行っても効果がない場合、滞納者の専有部分の差押えを独自に申請することができる。
- エ管理費等の滞納は管理組合の問題であり、管理業者には督促を含む滞納対応の義務は一切ない。
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管理業者による滞納対応は、文書・電話による督促(内容証明の発送補助を含む場合もある)までが業務範囲とされています。訴訟提起・支払督促・差押えといった法的手続きは管理組合自身が行うものであり、管理業者が管理組合の代理人として裁判手続きを行うには弁護士資格が必要です。エの「義務なし」は誤りで、督促業務は契約書上の義務です。正答はイです。
標準管理委託契約書に定める滞納対応業務は、「管理業者は、管理費等について、3か月以上滞納した区分所有者に対して、書面または電話による督促を行う」等の条項として規定されており、督促は管理業者の義務的業務です。ただし、①少額訴訟、②支払督促、③強制執行(差押え)などの法的手続きは、申立人・申請人として管理組合(理事長名義)が自ら行うものとされており、管理業者が代理人として行うことは弁護士法72条(非弁行為禁止)に抵触します。アのように管理組合の委任なく訴訟提起する権限はなく、ウの差押え独自申請も認められません。正答はイです。
滞納管理費等の回収は、マンション管理の実務上最も重要かつ困難な課題のひとつです。法的手続きの流れとしては、①督促状(管理業者が発送補助)→②内容証明郵便(弁護士または管理組合自身が発送)→③少額訴訟・支払督促(管理組合が申立て)→④強制執行(差押え)→⑤競売(任意売却または競売申立て)という段階を経ます。管理業者の「督促業務」の範囲を超えた法的手続きには弁護士の関与が必要であり(弁護士法72条の非弁行為禁止)、管理業者が書類作成・申立てを代行することは弁護士法違反となります。区分所有法7条は「共有部分等に関する債権(管理費等)」について先取特権(債権者優先弁済権)を認めており、この先取特権の実行(民事執行法193条)が滞納管理費等回収の法的武器となります。また、2020年改正区分所有法議論・2021年施行の「マンションの管理の適正化の推進に関する法律等の一部を改正する法律」では、滞納問題への対処として管理組合の法的措置を支援する制度の整備が検討されており、今後の改正動向も注視が必要です。管理業務主任者は、督促業務の適切な実施と法的手続きへの移行タイミングについて管理組合に適切に助言できることが求められます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。