管理組合会計・財務21管理組合の会計処理

管業 管理組合会計・財務 問21:管理組合の会計処理

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

マンション管理組合が区分所有者Aに対して有する管理費の未収金10万円について、Aが長期にわたり無資力状態であり回収が極めて困難と判断された場合の会計処理として、最も適切なものはどれか。

  • 回収困難と判断した時点で、総会決議なしに「貸倒損失(借方)100,000円/未収管理費(貸方)100,000円」の仕訳を行い費用に計上できる。
  • 回収困難の可能性がある場合は「貸倒引当金繰入(借方)100,000円/貸倒引当金(貸方)100,000円」と引当金を設定し、実際に回収不能が確定した段階で「貸倒引当金(借方)100,000円/未収管理費(貸方)100,000円」と処理する。正答
  • 管理費の未収金は資産として永久に計上し続け、貸倒処理を行ってはならない。
  • 管理費の未収金は管理規約上消滅時効がないため、未収管理費の残高は毎年増加し続けるのが適正な処理である。
正答:回収困難の可能性がある場合は「貸倒引当金繰入(借方)100,000円/貸倒引当金(貸方)100,000円」と引当金を設定し、実際に回収不能が確定した段階で「貸倒引当金(借方)100,000円/未収管理費(貸方)100,000円」と処理する。

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回収が難しくなった未収管理費の処理は2段階です。①回収困難が見込まれる時点:「貸倒引当金」という費用の見込みを計上します。②実際に回収不能が確定した時点:引当金と相殺して未収管理費を取り崩します。選択肢イがこの2段階の処理を正確に説明しています。一気に費用計上(選択肢ア)するより引当金方式のほうが財務の健全性を適切に示せます。正答はイです。

標準試験対策の基準レベル

貸倒引当金の会計処理は保守主義の原則(損失の見込みは早期に計上する)に基づきます。引当金設定時:「貸倒引当金繰入(費用)借方100,000円/貸倒引当金(資産の評価勘定)貸方100,000円」。これにより貸借対照表では「未収管理費100,000円-貸倒引当金100,000円=実質0円」と表示されます。実際の貸倒確定時:「貸倒引当金(借方)100,000円/未収管理費(貸方)100,000円」。引当金と相殺することで損益計算書への追加的な費用計上はありません。選択肢アは一気に貸倒損失として計上する方法で誤りではないものの、引当金方式のほうが適正表示に優れています。選択肢ウは「永久に計上し続ける」としており、財務諸表の適正表示に反します。選択肢エは管理費の消滅時効について誤った記述(管理費は5年で時効が完成します)をしています。

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管理費の未収金処理は、管理組合の財務健全性と回収戦略の両面から検討が必要です。会計上の貸倒引当金設定は「経済的実態の適正表示」が目的ですが、法的な債権放棄とは別物です。引当金を設定・計上しても、区分所有者への請求権は引き続き存続します。滞納管理費の消滅時効は「定期的な給付(管理費は定期給付)」に係る権利として民法169条1項(改正後は5年)が適用されます。ただし管理組合が支払督促・少額訴訟・競売申立て等の法的措置を講じた場合、時効が更新されます。会計上と法的措置を組み合わせた実務フローは①6か月以上滞納→内容証明で請求権行使(時効更新)、②1年以上滞納→支払督促または少額訴訟、③確定判決取得後→強制執行(給与差押・競売等)、④法的回収手段を尽くして回収不能確定→貸倒損失計上、という段階的アプローチが推奨されます。貸倒損失は管理組合の収支計算書上「収支差額のマイナス(正味財産の減少)」となるため、大規模な滞納処理は期末決算に大きな影響を与えます。管理業務主任者は貸倒引当金の設定基準を管理組合の会計処理方針書に明記することを助言できる能力が求められます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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