問題
マンション管理組合が管理費を値上げする場合の手続きとして、マンション標準管理規約に照らして最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
標準管理規約では、管理費等の額は総会の決議で決めます(48条六号)。ただし管理費の額を規約に書き込んでいるマンションでは、値上げに規約の変更が必要になり、規約の変更には特別決議(組合員総数の過半数かつ議決権総数の過半数の出席のもと、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上)が必要です(47条3項一号)。選択肢ウがこれを正確に説明しています。理事長単独(選択肢ア)や理事会決議(選択肢エ)では不十分で、全員一致(選択肢イ)までは不要です。正答はウです。
管理費の値上げに必要な決議要件は、管理規約における管理費の定め方によって異なります。標準管理規約(令和7年10月17日改正版)は、25条2項で管理費等の額は各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するとし、具体的な額は「管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法」として総会の決議事項としています(48条六号)。この場合は普通決議(議決権総数の過半数を有する組合員が出席し、出席組合員の議決権の過半数:47条1項・2項)で変更できます。一方、管理規約に管理費の具体的な金額を書き込んでいる場合は、金額の変更が規約の変更に当たり、2026年4月1日施行の改正後の区分所有法31条1項(区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上)と、これに合わせた標準管理規約47条3項一号の特別決議が必要です。選択肢アの「理事長単独決定」は規約上の根拠がなく誤りです。選択肢エの「理事会決議のみ」は区分所有者の意思を反映させる手続きとして不十分です。選択肢イの「全員一致」は区分所有法・標準管理規約上の要件ではありません。
管理費の改定は管理組合の財政運営において最も重要かつ合意形成が難しい課題の一つです。値上げの必要性が生じる背景として①管理委託費の上昇(人件費・物価上昇)、②共用設備の老朽化による維持費増加、③エネルギーコストの上昇(電気代・ガス代)、④保険料の増加(築年数が上がるにつれた保険料上昇)などがあります。管理業務主任者として値上げ提案の際には①現在の収支実績・将来の費用見通し(5年・10年予測)の提示、②値上げ幅の根拠(コスト増の明細)、③値上げしない場合のシナリオ(サービス削減・収支悪化)の提示、④段階的値上げ案の提示(急激な値上げへの心理的抵抗を軽減)、の4点をセットで区分所有者に説明することが大切です。管理費等の額の決定は総会の決議事項(標準管理規約48条六号)であり、理事会は総会に提出する議案を決議します(54条1項四号)。規約変更を伴う場合は出席者の4分の3以上の賛成が必要なため、事前の説明会・個別説明・書面での情報提供を丁寧に行うことが合意形成の鍵です。また総会の招集通知には、会議の目的のほか「議案の要領」も示さなければなりません(標準管理規約43条1項)。規約の変更が一部の組合員の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければなりません(47条9項)。
- 建物の区分所有等に関する法律第31条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

