問題
マンション管理組合が滞納管理費の消滅時効を更新(時効をリセット)するための手段として、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
時効を「更新(リセット)」するには、裁判上の手続き(支払督促・訴訟等)で権利を確定させるか、相手が借金を認めること(債務の承認)が必要です。内容証明郵便(選択肢ア)は「完成猶予(一時的に止める)」に過ぎず、その後6か月以内に裁判上の手続きをしないと時効が完成してしまいます。電話(選択肢ウ)や理事会決議(選択肢イ)では更新になりません。選択肢エの「支払督促を申し立て、確定した場合」が時効更新の手段として正しいです。正答はエです。
改正民法(2020年施行)での時効の「更新」と「完成猶予」の区別です。裁判上の請求や支払督促は、その手続が終わるまで時効の完成を猶予し、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときに、時効が新たに進行を始めます(更新:民法147条1項・2項)。強制執行は終了時に更新されます(148条)。仮差押え・仮処分は完成猶予のみです(149条)。債務者の承認は、その時から時効が新たに進行します(152条1項)。催告(内容証明郵便等)は、催告の時から6か月を経過するまでの完成猶予にとどまります(150条1項)。選択肢アの内容証明郵便は「完成猶予」にとどまります。選択肢ウの電話による支払要求も催告に当たるにすぎず、更新の効果はありません。選択肢イの「理事会決議」は相手方(滞納者)に対する法的効果を持たないため更新になりません。選択肢エの支払督促は、仮執行宣言を付した支払督促に督促異議の申立てがないとき等に確定判決と同一の効力を有する(民事訴訟法396条)ため、確定により時効が更新されます。
滞納管理費の時効管理は実務上の重要課題です。支払督促(民事訴訟法382条以下)の詳細:債権者の申立てにより裁判所書記官が支払督促を発する→債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議を申し立てないときは、債権者の申立てにより仮執行の宣言がされる(391条1項。債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から30日以内に申し立てないと支払督促は効力を失う:392条)→仮執行宣言付支払督促に督促異議の申立てがないとき等は、確定判決と同一の効力を有する(396条)。確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利の時効期間は10年となります(民法169条1項)。少額訴訟の活用:訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭支払請求には少額訴訟(民事訴訟法368条1項)が効率的です。「承認」による更新の実務:滞納者から「○○円の管理費の滞納を認め、分割払いをお願いします」という書面を入手すれば、権利の承認(民法152条1項)として時効が更新され、分割返済の合意も同時に取り付けられます。承認書のひな型を管理組合で準備しておくと対応が迅速になります。なお確定判決取得後は10年間の時効が適用されるため、その間に強制執行(給与差押え・不動産競売等)を実施することが可能です。管業試験では時効更新事由と完成猶予事由の区別(内容証明は猶予のみ・支払督促は更新)が頻出で確実に押さえる必要があります。
- 民法第147条・第169条・第152条e-Govで原文を読む
- 民事訴訟法第396条・第382条・第368条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

