管業 建築・設備 問10:建築構造
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
分譲マンションの外壁タイルの浮き・落下に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ア外壁タイルの浮きは、目視検査(外観検査)のみで正確に発見できるため、打診検査は補助的手段にすぎず、法的に実施義務はない。
- イ建築基準法では、竣工後10年を経過した建築物の外壁タイルについて、10年ごとに専門技術者による全面打診調査等を実施することが義務付けられている。
- ウタイル落下による通行人への損害については、建物の管理者(管理組合等)が民法の規定に基づく「工作物の占有者・所有者責任」を問われる可能性がある。正答
- エ外壁タイルの浮きは、タイル自体の製造不良のみが原因であるため、施工方法の改善によって浮きの発生を防止することはできない。
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外壁タイルが落下して通行人が怪我をした場合、建物の管理組合(管理者)は法的責任を問われる可能性があります。民法717条(工作物責任)により、建物の占有者・所有者は工作物の設置・保存の瑕疵による損害について賠償責任を負います。ウの「工作物の占有者・所有者責任」という記述は正確で、正答です。アの「目視のみで発見可能・打診は義務なし」は誤りで、打診調査には法的根拠があります(建築基準法)。よって正答はウです。
外壁タイルの法的管理義務を整理します。建築基準法第12条に基づく定期報告制度により、特定建築物(一定規模以上の建築物)は外壁の劣化状況について定期検査(概ね3年ごと)を実施し、特定行政庁に報告する義務があります。さらに2008年の建築基準法改正により、竣工後または直近の外壁改修工事後10年を超え、かつ最後の調査から3年以内に改修工事予定がない場合は、外壁全面打診調査等(打診・赤外線サーモグラフィ等)が義務付けられました(イの「10年ごとに実施義務」は「10年超で必要となる調査」という表現で概ね正しいが「10年ごとに」という部分が不正確のため誤)。エのタイル浮きの原因は製造不良だけでなく、施工不良(接着剤の品質・下地処理不足・貼り付け時の圧着不足)・温度変化による膨張収縮・下地コンクリートの中性化・躯体のひび割れ等が複合的に作用します(エ:誤)。ウの工作物責任(民法717条)は、管理組合が外壁タイルを適切に管理・点検する義務の法的根拠として最重要です(ウ:正)。
民法717条(工作物責任)の構造を深掘りします。土地の工作物の設置・保存の瑕疵により他人に損害を生じさせたときは、①一次責任者は占有者(管理組合・管理者)、②占有者が損害防止に必要な注意をしたことを証明した場合は所有者(各区分所有者)が責任を負います。所有者の責任は「無過失責任」(注意を尽くしても免責されない)であるため、管理組合が適切な点検を怠ったと認定されれば損害賠償リスクが高くなります。外壁打診調査の法的根拠は建築基準法第12条第1項・第2項の定期調査・検査報告制度です。特定建築物(共同住宅で階数5以上かつ延べ面積1,000m²以上が目安)は建築士等の資格者が実施する定期調査が必要で、外壁の全面打診等は特定の条件を満たす場合に義務化されています。実務では打診棒による手動打診・ドローン打診(無人航空機を使った非破壊検査)・赤外線サーモグラフィが普及しており、足場なしでの全面調査が可能になっています。管業試験では「民法717条の占有者・所有者責任」「外壁定期調査の根拠法令」「打診調査の実施タイミング(竣工後10年超)」が頻出です。管理業者として入居者への安全説明と管理委託費における点検費用の適正見積りができるよう、これらの数値と法令を正確に覚えることが実務直結の学習です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。