管業 民法・区分所有法 問102:債権・契約
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
マンション(区分所有建物)の売買における危険負担に関する次の記述のうち、民法の規定によれば最も適切なものはどれか。
- ア売買契約の締結後、引渡し前にマンション(専有部分)が大規模地震で全壊した場合、売主の責めに帰すことのできない事由による場合でも、買主は代金全額の支払い義務を負い続ける。
- イ危険負担の問題は目的物の引渡し後にのみ生じ、引渡し前に目的物が滅失しても危険負担の問題は発生しない。
- ウ売買契約後・引渡し前に目的物が滅失した場合、買主は契約の解除はできないが、代金の減額を請求することはできる。
- エ民法(2020年改正施行後)では、当事者双方の責めに帰することができない事由による目的物の滅失・損傷の場合、買主(債権者)は代金の支払いを拒絶することができる。正答
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2017年民法改正(2020年施行)により、危険負担は「債権者主義」から改正されました。改正後の民法536条は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」と規定しています。売買でいえば、引渡し前に売主の責めに帰さない事由で建物が滅失した場合、買主(=債権者)は代金の支払いを拒絶できます。よって正答はエです。
改正前民法534条は特定物(マンション等)の売買について「目的物の滅失は債権者(買主)の危険負担」(債権者主義)と規定していましたが、この規定は不合理として廃止されました。2020年施行の改正民法536条は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」と規定し、実質的に売主不能リスクは売主(=債務者)が負う(債務者主義に近い形)こととなりました。アは「買主は代金全額の支払い義務を負い続ける」としていますが、改正後は買主は代金支払いを拒絶できます(536条1項)。イは「引渡し後にのみ危険負担が生じる」としていますが、危険負担は引渡し前の滅失・損傷についても生じます(むしろ引渡し後は引渡しによって危険が移転したとする解釈が一般的)。ウは「解除はできないが減額は可能」としていますが、売主の責めに帰さない事由による全部滅失の場合、民法542条の催告によらない解除(全部不能)により買主は解除できます。エが改正後の危険負担ルール(反対給付の履行拒絶権)を正確に示しており正答です。
危険負担と契約不適合責任(民法536条・562条以下)は2017年民法改正の核心的な変更点です。改正後の危険負担制度の整理として①売主の責めに帰すべき事由による債務不履行→買主の解除・損害賠償(541条〜545条・415条)、②売主・買主双方の責めに帰すべきでない事由による履行不能→買主の反対給付(代金)の履行拒絶権(536条1項)・当事者は解除可能(542条2項1号の準用)、③買主の責めに帰すべき事由による履行不能→売主の代金請求権保持(536条2項・危険の移転)となります。引渡しによる危険の移転については改正民法567条が「売主が買主に目的物を引き渡した後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失または損傷したときは、買主は、その滅失または損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができない」と規定し、引渡し後の危険は買主が負担します(引渡しによる危険移転)。マンション売買実務(宅建業法上の重要事項説明)では、売買契約後・引渡し前の目的物の状態変化のリスクと危険負担の処理を買主に説明することが重要です。特に自然災害(地震・洪水・台風等)による被害についての売主・買主間のリスク分担をあらかじめ売買契約書に明記する実務が一般化しています。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。