問題
マンションの売買における手付に関する次の記述のうち、民法の規定によれば最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
手付による解除があった場合、損害賠償の規定(民法545条4項)は適用されません(557条2項)。売主が手付の倍額を現実に提供して契約を解除したとき、買主はそれ以上に損害賠償を請求することはできません。よって正答はウです。
民法557条1項は「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない」と定め、同条2項は「第五百四十五条第四項の規定は、前項の場合には、適用しない」と定めています。ウは2項どおりで正しい記述です。アは誤りです。相手方が契約の履行に着手した後は、手付による解除はできません(1項ただし書)。イは誤りです。解除が制限されるのは「その相手方が」履行に着手した後であり、自らが履行に着手していても、相手方が着手していなければ手付による解除ができます。エは誤りです。557条は、当事者が合意によって手付解除ができる期間を別に定めることを禁じるものではなく、民法の規定に反して無効になるとはいえません。正答はウです。
手付解除(民法557条)の要点を整理します。①解除の方法:買主は手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して解除します(1項本文)。2020年施行の改正で、売主について「償還」から「現実に提供」と明記されました。②解除の時期:「その相手方が契約の履行に着手した後」は解除できません(1項ただし書)。改正前の「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」という文言が改められ、自ら履行に着手していても、相手方が着手していなければ解除できることが条文上明確になりました。③損害賠償:手付解除の場合は545条4項(解除と損害賠償)が適用されず、手付の額を超える損害賠償は請求できません(2項)。「履行の着手」の意味について、判例(最大判昭和40年11月24日)は、債務の内容たる給付の実行に着手すること、すなわち客観的に外部から認識し得るような形で履行行為の一部をなし又は履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合を指すとしています。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買では、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができず(宅建業法39条1項)、手付は解約手付の性質を有するものとされ、買主に不利な特約は無効とされます(同条2項・3項)。マンションの売買では、売買契約書で手付解除の期限(例:契約締結日から○日まで)を定める例も多く、その内容を確認しておくことが重要です。以上から、正答はウです。
- 民法第545条・第557条e-Govで原文を読む
- 宅地建物取引業法第39条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

