問題
マンションの管理組合が区分所有法に基づいて法人格を取得した(管理組合法人)。管理組合法人の代表者に関する次の記述のうち、民法および区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
管理組合法人(区分所有法47条以下)は区分所有法で法人格を取得した特別法人です。理事が法人を代表しますが、理事が複数いる場合は各自が単独で代表権を持ちます。ただし規約でこれを制限することができます。法人の代表者が職務に関して第三者に損害を与えた場合、法人は損害賠償責任を負い(区分所有法47条10項が準用する一般法人法78条)、代表者個人も不法行為責任(民法709条)を免れません。よって正答はエです。
管理組合法人は区分所有法47条に基づく法人で、一般的な法人規定(民法33条以下)とは異なる特別規定が置かれています。アは「民法の法人規定が一切適用されない」としていますが、区分所有法に規定のない事項については民法の規定が補充的に適用されるため誤りです。イは誤りです。法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において権利を有し義務を負う(民法34条)ため、目的の範囲外の行為は、相手方が善意であっても法人に効果が帰属するものではありません。ウは「理事個人は責任を免れる」が誤りで、法人は代表者の職務行為による損害賠償責任を負い(区分所有法47条10項が準用する一般法人法78条)、理事個人も自己の不法行為について民法709条の責任を負うため、双方が責任を負います。エの「複数の理事は各自代表・規約で制限可能」は区分所有法49条4項・5項に沿っており正答です。
管理組合法人は区分所有法47条以下(第1章第6節)に規定される特殊な法人形態です。設立要件は、区分所有者(議決権を有しないものを除く)の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席し(規約でこれを上回る割合を定めることも可)、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議と、主たる事務所の所在地での登記です(47条1項。2026年4月1日施行の改正後)。理事の代表権については49条3項が「理事は、管理組合法人を代表する」と規定し、理事が数人あるときは各自が代表しますが(49条4項)、規約若しくは集会の決議によって代表すべき理事を定め、又は共同代表とすることができます(49条5項)。この「各自代表・規約で制限可」という構造は民法上の代理権制限と同様の仕組みです。法人の代表者が職務遂行中に第三者に損害を与えた場合の責任については、区分所有法47条10項が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律78条(代表者の行為についての損害賠償責任)を準用しており、これにより管理組合法人が損害賠償責任を負います(旧民法44条が果たしていた機能を現在は一般法人法78条が担う)。さらに代表者個人も自己の不法行為について民法709条の責任を負い、両者の責任が競合します。管理組合法人化のメリットとして、法人名義での登記・銀行口座開設・訴訟当事者能力(法人として当然に認められる)が挙げられます。法人化していない管理組合も、要件を満たせば権利能力なき社団として実体法上・訴訟法上の当事者能力が判例により認められていますが、財産の帰属関係(総有)が複雑になる点で法人化が推奨される場面があります。実務上は管理組合法人化の設立決議が特別決議(出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上)である点も理解が必要です。
- 建物の区分所有等に関する法律第47条・第49条e-Govで原文を読む
- 民法第709条・第33条・第34条・第44条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

