問題
区分所有者Aが金融機関Bから融資を受け、自己の専有部分に抵当権を設定した。その後Aは当該専有部分を賃貸し、毎月賃料を収受している。この場合の抵当権の効力に関する記述として、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
抵当権は「建物・土地などの不動産」に設定する担保です。抵当権者は債務不履行の際に不動産を競売にかけて弁済を受けます。抵当権設定後に賃貸借がされた場合、抵当権が先に登記されていれば競売後に賃借人は退去を求められます(民法395条等)。賃料などの果実には、債務の不履行があった後に生じたものに抵当権の効力が及びます(371条)。家具等の動産には原則として抵当権の効力は及びません。よって正答はエです。
抵当権の効力範囲は民法370条〜396条に規定されています。370条は「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ」と定め、付加一体物に効力が及びます。アは「付加物に効力が及ばない」としており誤りです。371条は「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ」と定めており、債務の不履行がないのに賃料を差し押さえることはできないため、イは誤りです(不履行後は、担保不動産収益執行や、賃料債権への物上代位(372条・304条)による差押えが可能です)。ウの家具等の動産は「付加一体物」ではなく分離可能なため、原則として抵当権の効力は及びません(370条反対解釈)。エは抵当権に後れる賃借権への対抗力(395条・対抗要件具備の先後)を示しており、抵当権が先に登記されていれば競落後に賃借人は対抗できない(6か月の猶予規定あり)ため正答です。
抵当権(民法369条〜396条)はマンション区分所有権に設定される場合、専有部分と敷地利用権が一体として担保の対象となります(区分所有法22条・23条)。敷地権が登記されているマンションでは専有部分の抵当権登記が敷地権にも及ぶため、競売時に専有部分と敷地権を切り離して処分することはできません。抵当権の効力が及ぶ付加一体物(370条)については、専有部分に組み込まれて独立性を失った設備(造り付けの設備等)は付加一体物として抵当権の効力が及ぶとされますが、独立して取り外しが可能な家具・電化製品等は含まれません。抵当不動産の賃貸借について、抵当権登記後に設定された賃貸借(後順位)は競落後に賃借人が対抗できないことが原則ですが、395条は「抵当権者に対抗することができない賃貸借により競売手続の開始前から使用または収益をする者」について競売による買受けの時から6か月間の使用継続を認めています。この6か月猶予は賃借人保護の観点から設けられた規定です。また、債務の不履行後は、抵当権者は賃料債権に物上代位(372条・304条)して差し押さえることができ、抵当不動産の収益から回収する手続として担保不動産収益執行(民事執行法180条2号)も用意されています(371条により不履行後に生じた果実に抵当権の効力が及ぶことが前提)。管理業務主任者試験では、抵当権と賃貸借の対抗関係(抵当権の登記と賃借権の対抗要件の先後による優劣)が頻出論点です。
- 民法第395条・第370条・第369条e-Govで原文を読む
- 建物の区分所有等に関する法律第22条e-Govで原文を読む
- 民事執行法第180条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

