管業 民法・区分所有法 問17:物権
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
区分所有者Aがその専有部分を、BとCにそれぞれ別々に売却した(二重売買)。BはAから売買契約を締結したが登記を備えていない。CはBより後に売買契約を締結し、先に登記を備えた。この場合の法律関係について、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア売買契約が先に成立したBがCに優先し、Cの登記は無効となる。
- イCが先に登記を備えたため、Cが所有権を取得し、Bはたとえ善意であってもCに所有権を主張できない。
- ウCがいわゆる「背信的悪意者」に当たる場合は、登記を備えていてもBに対して所有権を主張できない場合がある。正答
- エAはBとCに対して二重売買の責任を負うが、二つの売買契約は双方とも当然に有効である。
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不動産の売買では「先に登記したほうが勝つ」が原則(民法177条)ですが、例外があります。それが「背信的悪意者」です。Bを出し抜くために不正な手段でCが登記を得た場合など、Cが信義に反する(背信的な)悪意を持っていた場合は、登記があっても所有権をBに主張できないとされています(判例)。アの「契約が先なら勝つ」は誤りで登記の先後が原則です。よって正答はウです。
不動産物権変動の対抗要件は民法177条で「登記をしなければ第三者に対抗することができない」と規定されています。二重売買の場合、B・C双方に所有権移転の合意はありますが、登記を先に備えた者が第三者に対して所有権を主張できます。アは「契約の先後で優劣が決まる」としており、177条の対抗要件主義に反し誤りです。イは「Cが登記備有で絶対優先」としていますが、判例は背信的悪意者は177条の「第三者」に当たらないとしており(最判昭和43年8月2日等)、Cが背信的悪意者であればBが保護される場合があるため絶対的とは言えません。エは「双方の契約が当然有効」について、二重売買の場合A→B・A→C双方の契約は有効に成立しており、Aは債務不履行責任を負います(これ自体は正しい記述ですが、本設問の核心はBとCの優劣であり、エは問題の焦点を外しています)。ウが判例上の背信的悪意者論を正確に示しており正答です。
不動産物権変動と対抗要件(民法177条)は財産法の核心論点の一つです。177条の「第三者」の範囲については、悪意者を含む(形式的に登記を備えれば悪意でも対抗可能)とする形式的解釈と、一定の制限を設ける実質的解釈が対立してきましたが、判例(最大判昭和32年12月14日)は「177条の第三者は正当な利益を有する者に限る」との立場から「背信的悪意者」(信義則に反する態様で他者の登記取得を妨害するなどした者)を第三者から排除しています。背信的悪意者に当たるかどうかは具体的事情に基づいて判断されますが、単純な悪意(二重売買の事実を知っていたこと)だけでは背信的悪意者とはならず、「不当な目的や手段」を要します。二重売買においてAが負う責任は、先に契約したBに対する債務不履行(履行不能)として損害賠償義務であり(415条)、AB間の契約自体が無効になるわけではありません。マンション管理の実務では、転売・抵当権設定が繰り返されるケースで登記の先後が問題となることがあり、区分所有者の変更の際は登記事項証明書で所有者を確認してから管理費請求先を変更するプロセスが重要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。