管業 民法・区分所有法 問18:物権
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
管理組合が管理費として収受したお金が一時的に理事長個人の口座に混入し、その後理事長がその金銭を使って動産(業務用掃除機)を購入した。購入先の電気店は理事長が個人として購入したと信じていた。この場合の即時取得に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア即時取得は不動産にも適用されるため、マンションの専有部分の取引でも問題となりうる。
- イ即時取得が成立するためには、取引の相手方(電気店)が無過失であるだけでは足りず、登記を備えることが必要である。
- ウ動産取引において電気店が理事長の処分権限について善意無過失であれば、管理組合は即時取得した電気店に対して掃除機の返還を求めることができない場合がある。正答
- エ即時取得は占有の移転を要しないため、売買契約を締結しただけで成立する。
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「即時取得」とは、動産(物)を取引する際に、相手が本当の所有者でなくても、善意無過失で占有を取得した場合は所有権を取得できる制度です(民法192条)。これは動産取引の安全を守るための制度で、不動産には適用されません。本問では電気店が善意無過失であれば掃除機の所有権を取得でき、管理組合は返還を求めにくくなります。よって正答はウです。
即時取得(民法192条)の要件は、①取引行為(売買・贈与等)により、②動産の占有を取得し、③取引行為の相手方(前主)に処分権限がないことについて善意無過失であること、の三点です。アは「不動産にも適用」が明確な誤りで、即時取得は動産にのみ適用される制度です(不動産は登記制度で保護)。イは「登記が必要」が誤りで、動産には登記制度がなく占有の移転が対抗要件です(178条)。エは「占有移転不要」が誤りで、192条は「平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は」と定めており、占有の開始(引渡し等による占有移転)が要件です。ウは即時取得の本質を正確に示しており、電気店が善意無過失で占有を取得した場合は管理組合が所有権を喪失する可能性を示す正答です。
即時取得(民法192条)は動産取引の安全(外観主義)と真の権利者保護の調整を図る制度です。不動産については登記制度(177条)が公示機能を担うため即時取得の適用はなく、動産についてのみ占有という外観を信頼した取引者を保護します。即時取得の「善意」は前主の無権限(処分権限がないこと)について知らないことであり、「無過失」は知らないことに過失がないことです。取引形態が通常の商取引として通常であれば無過失が推定される傾向にあります。本問のような横領型(委託を受けた者が勝手に処分した)の事案では、受託者の処分権限の外観が問題となります。占有委託物の横領(委託者が物を預けた相手が無権限で処分した場合)でも192条の適用がありうるとするのが通説・判例です(最判昭和32年12月27日等)。管理組合の実務では、管理費の横領・不正流用が発覚した場合、不正に購入された動産について即時取得が成立していると回収が困難になるため、通帳・印鑑の分離保管、複数署名制度の導入などの内部統制が重要です。動産が盗品・遺失物の場合は192条の例外として真の所有者が2年間回復請求できる(193条・194条)ことも理解が必要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。