管業 民法・区分所有法 問20:物権
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
区分所有者Aが、更地である土地に抵当権を設定した後、その土地上にマンションを建築した。Aが債務不履行となり、土地が競売された場合の法定地上権に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア土地と建物の所有者が同一(A)であるため、競売後に建物のために法定地上権が当然に成立する。
- イ抵当権設定時に建物が存在しなかったため、法定地上権は成立しない。正答
- ウ抵当権設定時に建物が存在していなくても、抵当権者が建物の建築を知っていた場合は法定地上権が成立する。
- エマンション(区分所有建物)については法定地上権は認められず、すべての区分所有者が土地を購入しなければならない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインも明記。
「法定地上権」とは、土地と建物が同一の所有者だったのに競売等で別々の所有者になってしまった場合に、建物所有者が土地を使うために法律上自動的に発生する地上権です(民法388条)。ただし、法定地上権が成立するには「抵当権を設定した時点で建物が存在していた」ことが必要です。更地に抵当権を設定した後に建物を建てた場合は、設定時に建物がなかったため、法定地上権は成立しません。よって正答はイです。
法定地上権(民法388条)の成立要件は、①抵当権設定時に土地の上に建物が存在すること、②設定時に土地と建物が同一の所有者であること、③競売等により土地と建物の所有者が異なることになること、の三点です。本問では抵当権設定時に「更地」であり要件①を充たさないため、法定地上権は成立しません。アは「成立する」としており要件①を無視しているため誤りです。ウは「抵当権者が建築を知っていた場合は成立」としていますが、抵当権者の認識は法定地上権の成立要件ではなく誤りです。エはマンション(区分所有建物)固有の問題として法定地上権を排除するとしていますが、区分所有建物でも要件が揃えば法定地上権の問題が生じる場合があり、一律に排除されるわけではないため誤りです。イが388条の要件(設定時の建物存在)を正確に示しており正答です。
法定地上権(民法388条)は、土地と建物を一括して担保に入れ忘れた場合や、片方のみに抵当権を設定した場合の建物利用権の確保を目的とします。成立要件の核心は「抵当権設定時における建物の存在」であり、これを欠く場合(更地に設定後建築)は法定地上権が認められません。この判断が重要なのは、更地に抵当権設定後に建物を建てた場合に法定地上権が成立するとすれば、更地の担保価値を信頼した抵当権者を害することになるためです(最判昭和36年2月10日等)。なお、土地と建物の双方に共同抵当が設定されている場合に建物が取り壊されて新築された場合の法定地上権の成否については判例が複雑な基準を設けており(最判平成9年2月14日等)、受験上の重要論点です。区分所有マンションの場合、区分所有法22条・23条により専有部分と敷地権は原則として分離処分が禁止されているため、通常の一棟建物とは異なり法定地上権問題が生じにくい構造になっています。ただし敷地権未登記のマンションでは敷地と専有部分の分離が問題になりうるため、管理業務主任者としては敷地権の登記の有無の確認が重要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。