問題
マンション敷地(承役地)の隣接土地所有者Aが、自己の土地(要役地)からマンション敷地を通行するための地役権を設定した。この地役権に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
「地役権」とは、他人の土地を自分の土地のために利用できる権利です(民法280条)。通行地役権は代表的な地役権で、隣地を通行させてもらう権利です。地役権は登記することで第三者に対抗できますが、判例では継続的に通路として利用され外形上認識できる状態の通行地役権は、登記なしでも第三者に対抗できる場合があるとされています。よって正答はイです。
地役権(民法280条〜294条)は要役地の便益のために承役地を利用する権利です。アは「要役地と独立した権利」として地役権が要役地から分離して残るとしていますが、地役権は要役地に従たる権利(民法281条)であり、要役地の処分に伴います。Bが要役地を取得すれば地役権もBに移転するため誤りです。ウは「登記なしに新所有者に対抗できる」としており、登記なき物権変動の対抗不可(177条)に反し誤りです。エは「存続期間の定めなければ10年で消滅」が誤りで、存続期間の定めがなくても期間の経過だけで消滅することはなく、時効による消滅は、権利を行使することができる時から20年間行使しない場合(166条2項。起算点は291条)です。イの「継続的使用・客観的に明らかな通行地役権の登記なき対抗」は判例が認める重要な例外法理であり正答です。
通行地役権の対抗力について、判例は、承役地が譲渡された時に、承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置・形状・構造等の物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、譲受人がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは、譲受人は特段の事情がない限り地役権設定登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらない、としています。これは、177条の「第三者」を登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者に限る判例の立場を通行地役権に当てはめたものです。地役権は281条1項により要役地の所有権の移転とともに移転し(随伴性)、要役地から分離して譲り渡すことができません(281条2項)。存続期間については民法上の制限はなく、期間の定めがなければ期間の経過で消滅することはありません。地役権の消滅は合意による解除、時効(権利を行使することができる時から20年・166条2項。起算点は291条)、要役地・承役地の同一人への帰属(混同・179条)等によります。マンション管理実務では、マンション敷地に地役権が設定されている場合(近隣からの通行・眺望確保等)、その対抗力・負担の内容が管理組合の管理業務に影響します。なお地役権は区分所有建物の敷地利用権(区分所有法2条6項)とは別の概念であり、混同しないことが重要です。
- 民法第280条・第281条e-Govで原文を読む
- 建物の区分所有等に関する法律第2条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

