民法・区分所有法26債権・契約

管業 民法・区分所有法 問26:債権・契約

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

管理組合が管理会社との管理委託契約を解除しようとしている。管理会社が契約上の義務を履行しない状態が続いているが、管理組合が行うべき解除手続きに関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 管理委託契約を解除するには、相当期間を定めた催告をせずに、ただちに解除の意思表示をすることができる。
  • 催告をして相当期間が経過した後も管理会社が義務を履行しない場合、管理組合は契約を解除できるが、解除の効果は将来に向かってのみ生じる。正答
  • 管理委託契約が解除された場合、解除前に管理会社が受領した管理費は、原状回復義務として管理組合に返還しなければならない。
  • 管理委託契約を解除した場合、管理組合は既に生じた損害の賠償を管理会社に請求することはできない。
正答:催告をして相当期間が経過した後も管理会社が義務を履行しない場合、管理組合は契約を解除できるが、解除の効果は将来に向かってのみ生じる。

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契約を解除するには原則として、まず「相当期間を定めて履行を催告」し、その期間が過ぎても履行がない場合に解除できます(民法541条)。解除の効果は「初めから契約がなかったことにする(遡及効)」が基本です(545条)。ただし、継続的契約(管理委託のような継続的に履行が行われる契約)では、既に行われた履行については原状回復が困難なことから、「将来に向かってのみ効力が生じる」と解釈されています。よって正答はイです。

標準試験対策の基準レベル

解除の要件は民法541条〜543条に定められています。原則は「相当の期間を定めて催告→未履行→解除」の手順(541条)です。アは「催告なしに直ちに解除可能」としていますが、催告解除が原則であり、無催告解除(542条)は全部履行不能・明示的な拒絶等の特別事由に限られます。通常の管理委託契約の不履行では原則催告が必要です。ウは「解除前に受領した管理費の返還」を問題にしていますが、管理委託契約の解除では管理会社がすでに役務を提供した部分については原状回復義務の性質上返還不要(役務は性質上返還不能)であり、未提供分の前払い費用のみ問題となります。エは「損害賠償請求不可」としていますが、545条3項は「解除は損害賠償請求を妨げない」と規定し、解除と損害賠償の両立を認めています。イが継続的契約解除の将来効(学説・判例上確立)を示しており正答です。

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解除の効果(民法545条)は原則として遡及効(契約当初に遡って消滅)を生じさせますが、継続的契約では既履行部分の原状回復が事実上不可能なため、判例・通説は「継続的契約の解除は将来効のみ」とする見解を採用しています(最判昭和29年9月16日等参照)。管理委託契約(マンション管理適正化法に基づく標準管理委託契約)はその典型的な継続的契約です。2017年改正民法では解除の要件が整理され、541条(催告解除)・542条(無催告解除)・543条(履行不能の解除)・544条(解除権の不可分性)が規定されました。特に542条は「催告によっても契約目的を達成するために必要な行為の全部の履行がされる見込みがないとき」などを無催告解除の要件として列挙しており、管理会社が業務放棄・連絡不通の場合等はこれに当たる可能性があります。解除と損害賠償の競合(545条3項)は明文で認められており、管理組合は解除後に別の管理会社と契約し直す際の費用・損害等を旧管理会社に請求できます。マンション管理適正化法は管理委託契約の解除について標準管理委託契約を参考に一定のルールを設けており、解除の事前通知義務(3か月前通知等)の問題も実務上重要です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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