民法・区分所有法29債権・契約

管業 民法・区分所有法 問29:債権・契約

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

管理組合がマンションの屋上防水工事を建設業者Aに発注し、工事完了後に検収した。しかし引渡しから1年後に防水工事の施工不良が発覚し、雨漏りが生じた。この場合の請負人の契約不適合責任に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 管理組合は、施工不良(契約不適合)を知った時から1年以内にAに通知していれば、通知から5年以内に損害賠償請求できる。正答
  • 管理組合が検収(完成検査)を行い合格を出しているため、その後の施工不良については一切責任を問えない。
  • 施工不良について、管理組合は補修(追完)の請求はできるが、損害賠償の請求および代金減額の請求はできない。
  • 契約不適合責任に基づく追完請求をした場合、Aはいつでも代替方法による追完を選択できる。
正答:管理組合は、施工不良(契約不適合)を知った時から1年以内にAに通知していれば、通知から5年以内に損害賠償請求できる。

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「契約不適合責任」とは、工事の出来が契約の内容と違った場合(不具合・欠陥等)に、発注者が請負人に責任を追及できる制度です(民法559条・562条〜564条)。不具合を「知った時から1年以内に通知」することが責任追及の前提条件となります(637条)。通知さえ期間内に行えば、その後に損害賠償・追完・代金減額等を請求できます。よって正答はアです。

標準試験対策の基準レベル

請負の契約不適合責任は民法559条で売買の規定(562条〜564条)を準用し、637条に請負固有の除斥期間規定があります。637条1項は「注文者はその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しなければならない」と規定し、通知期間の制限を設けます。アは「通知から5年以内に損害賠償請求可能」としており、1年内通知後の請求権は別途の消滅時効(166条・権利を行使できることを知ってから5年)に服するとする理解に基づいており正確です。イは「検収合格後は責任なし」としていますが、検収は明白な不具合についての確認であり、隠れた不具合(相当の注意を払っても発見できなかった欠陥)については検収後も追及可能です(637条の通知要件のみ)。ウは「損害賠償・代金減額不可」としていますが、民法は追完(562条)・代金減額(563条)・損害賠償(564条)・解除の各請求を認めており誤りです。エは「Aがいつでも代替方法を選択可能」としていますが、562条1項ただし書で注文者に不相当の負担を課しない限り請負人は代替方法による追完を選択できますが、「いつでも」ではなく請求者が指定した方法を基本とします。

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2017年改正民法で「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」(562条〜564条・637条)に制度が改められました。改正のポイントは、(1)「瑕疵」から「契約の内容に適合しない」という契約適合性基準への転換、(2)注文者の請求権として追完請求(補修等)・代金減額請求・損害賠償請求・解除の四種類が明確化されたこと、(3)追完方法は注文者が原則指定できるが請負人に不相当の負担を課す場合は変更可(562条1項)、(4)注文者の責めに帰する事由による不適合は追完請求・代金減額請求不可(562条2項・563条3項)という除外規定の明示です。637条の「1年以内の通知」は除斥期間であり、通知後の請求権自体は消滅時効(166条)に服します。建設工事の瑕疵に関しては品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の規定(新築住宅の構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分について10年の契約不適合責任)も重要で、マンション新築購入時はこの10年保証が適用されます。管理組合が共用部分の修繕工事を発注する場合は民法の637条規定(1年通知)が適用される点に注意が必要です。一方、住宅の新築(マンション分譲)に関しては品確法94条・95条の10年間の契約不適合責任(構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分)が民法637条に優先して適用されるため、分譲マンション購入者保護の観点で品確法と民法の二重構造を理解しておくことが管業・マンション管理士試験の双方で求められます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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