管業 民法・区分所有法 問30:債権・契約
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
管理組合が管理会社に管理業務を委任した場合の法律関係について、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア有償の委任において、受任者(管理会社)は委任者(管理組合)の指示に従えば足り、善管注意義務を負わない。
- イ委任は各当事者がいつでも解除できるが、相手方に不利な時期に解除した場合は損害賠償義務を負う場合がある。正答
- ウ管理会社が管理組合から預かった管理費を自己の財産と区別せずに管理した場合でも、管理業務を遂行していれば問題はない。
- エ委任が終了した場合、受任者は委任者の請求を待ってから事務を引き継ぐ義務が生じるため、請求があるまでは業務を継続する必要はない。
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委任(民法643条)は「ある仕事を頼む・引き受ける」という契約です。受任者は「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」を持って仕事をしなければなりません(644条)。委任はいつでも解除できますが(651条)、相手に不利な時期に解除した場合は損害賠償義務が発生します(同2項)。受任者は預かった金銭を自己の財産と分けて管理しなければなりません(646条)。よって正答はイです。
委任(民法643条〜656条)の主な義務は、①受任者の善管注意義務(644条)、②受任者の自己執行義務(再委任の制限・644条の2)、③受任者の報告義務(645条)、④受任者の受取物の引渡義務(646条)、⑤受任者の金銭の利息義務(647条)、⑥委任終了後の緊急処理義務(654条)です。アは「善管注意義務を負わない」が誤りで、644条は「受任者は委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う」と規定しています。ウは「自己財産との混同可」が誤りで、646条は受取物・金銭の引渡義務を規定し、649条の費用前払請求権と合わせて受任者の財産管理義務が明確化されています。エは「請求があるまで業務継続不要」が誤りで、654条は「委任が終了した場合において急迫の事情があるときは受任者又はその相続人若しくは法定代理人は委任者が委任事務を処理できるようになるまで必要な処分をしなければならない」と緊急処理義務を規定し、漫然と引継ぎを放棄することはできません。イが651条の解除自由・損害賠償義務の組み合わせを正確に示しており正答です。
委任における善管注意義務(644条)は「委任者の利益のために最善を尽くす義務」であり、受任者自身の財産管理(自己のためにする注意)より高い水準を要求します。善管注意義務違反による損害賠償は債務不履行(415条)を根拠とします。管理委託契約(マンション管理適正化法に基づく)における管理業者の義務は、民法の委任規定を基礎としつつ、適正化法・標準管理委託契約書の規定によって具体化されています。具体的には管理費等の収納・保管(管理組合口座への収納・分別管理義務)、修繕積立金の保全(信託・保証等)、報告義務(管理状況の定期報告)などが含まれます。管理費の分別管理義務(646条の趣旨・適正化法76条)は特に重要で、管理業者が管理費を自己の財産と混同した場合は業務処分の対象となりえます。委任の解除の自由(651条)は管理委託契約においても原則として認められますが、標準管理委託契約では解除の事前通知期間(3か月等)が定められており、この期間内の解除は損害賠償義務が生じる場合があります。管理業務主任者試験では委任の義務・解除・終了後の処理義務が頻出論点です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。