管業 民法・区分所有法 問32:債権・契約
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
マンションの共用部分であるエレベーターの設置・保存に瑕疵があったために、利用者Aが怪我をした場合の責任に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- アエレベーターの設置・保存に瑕疵があった場合でも、所有者は過失がなければ免責される。
- イ第一次的に占有者(管理会社等)が責任を負い、占有者が損害防止に必要な注意を払っていたことを証明した場合は、所有者が損害を賠償する義務を負う。正答
- ウ所有者が管理会社に管理を委託していれば、所有者は損害賠償責任を当然に免れる。
- エ占有者・所有者のいずれの責任も無過失責任であり、占有者は損害の発生防止に必要な注意をしたことを証明しても責任を免れない。
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建物や設備(土地の工作物)の瑕疵で人が怪我をした場合、まず「占有者(実際に管理している人・管理会社等)」が責任を負います(民法717条)。ただし占有者が「損害防止に必要な注意を払っていた」と証明すれば、次に「所有者(管理組合・区分所有者等)」が責任を負います。所有者の責任は無過失責任であり、免責されません。よって正答はイです。
土地工作物責任(民法717条)の仕組みは、一次的に占有者が責任を負い(1項本文)、占有者が損害防止の注意を払っていたことを証明した場合に所有者が責任を負う(1項ただし書)という二段階構造です。アは「所有者が過失なければ免責」としていますが、所有者の責任は無過失責任(占有者の免責立証後は所有者は逃れられない)であり誤りです。ウは「管理委託で当然免責」としていますが、管理を委託しても所有者の無過失責任は消えません。エは「占有者・所有者いずれも無過失責任で占有者は免責立証できない」としていますが、占有者の責任は損害防止に必要な注意をしたことを証明すれば免れる中間責任(過失推定・717条1項ただし書)であり、無過失責任で免責不可なのは所有者のみです。したがってエは誤りです。イが717条1項の二段階責任構造を正確に示しており正答です。
土地工作物責任(民法717条)は工作物の設置または保存の瑕疵による損害について、一次的に工作物を占有する者(占有者)が責任を負い(過失推定・免責あり)、占有者が免責された場合に所有者が無過失責任を負う二段階構造です。工作物の「瑕疵」とは工作物が通常有すべき安全性を欠いていることをいいます(最判昭和46年4月23日参照)。エレベーターについては機械としての欠陥(点検漏れ・部品劣化)が典型的な瑕疵です。占有者の免責立証(損害防止のための注意を怠らなかったこと)が認められた後、所有者は一切の抗弁が認められない絶対的責任を負います(717条1項ただし書「所有者はこれを妨げず責任を負う」)。区分所有マンションのエレベーターは共用部分(区分所有法2条4項)であり、その管理責任は管理組合(全区分所有者の共有)にあります。一般的には管理組合が所有者的地位を持ち、管理会社が占有者的地位を持つことになります。管理会社が定期保守点検を実施しており損害防止の注意を払っていたと認められれば、管理組合(所有者)が最終的に責任を負います。このリスクに対応するため、マンション総合保険(共用部分に係る賠償保険)の加入が実務上必須とされています。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。