管業 民法・区分所有法 問36:債権・契約
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
マンションの専有部分を共有するA・Bが、共同で管理組合に対して管理費100万円の支払い義務を負っている(連帯債務)場合について、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア管理組合がAに対して管理費の支払いを請求(訴訟)した場合、その効果はBにも当然に生じ、AとBの時効は一緒に中断する。
- イAがAの持分に相当する50万円のみ弁済した場合、連帯債務は50万円について消滅する。
- ウAがB分を含めた100万円を全額弁済した場合、Aはその後Bに対して求償することはできない。
- エ連帯債務者の一人Aに生じた事由(例:AとBの管理費が免除された)は、全員に効力が生じる絶対的効力事由とそうでない相対的効力事由に分かれる。正答
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「連帯債務」とは、複数の人が同じ債務を全額負担する場合です(民法436条)。連帯債務者の一人に生じた出来事が全員に影響する(絶対的効力)か、その人だけに影響する(相対的効力)かが重要です。改正民法では弁済・相殺・混同・更改のみが絶対的効力事由とされました(439条〜441条)。請求(訴訟)は相対的効力事由となり、Aへの請求はBには影響しません。よって正答はエです。
連帯債務(民法436条〜441条)において、2017年改正で絶対的効力事由が大幅に縮小されました。改正後の絶対的効力事由は「弁済及びこれに準ずる事由(439条)・相殺(439条2項)・更改(438条)・混同(440条)」のみです。相対的効力事由(他の連帯債務者に影響しない)には請求・承認・時効完成猶予・更新等が含まれます。アは「Aへの請求(訴訟)がBにも効力を生じる」としていますが、2017年改正後は請求は相対的効力事由であり、Aへの請求はBの時効に影響しません。イは「50万円の弁済で50万円消滅」としており、これ自体は当然ですが(弁済額分は全員の債務が消滅する)、「持分に相当する額のみ弁済」という設定が問題で、連帯債務では各自が全額弁済義務を負うため50万円のみの弁済は一部弁済として処理されます。ウは「求償不可」が誤りで、441条の反対解釈および442条から、全額弁済したAはBに対してBの負担割合に応じた求償権を有します。エが絶対・相対効力事由の区別を示しており正答です。
連帯債務の絶対的効力事由の縮小は2017年改正民法の重要な変更点です。改正前は「請求」も絶対的効力事由(時効中断効が全員に及ぶ)でしたが、改正後は相対的効力事由となりました(441条)。これにより債権者は連帯債務者の一人に対して請求しても他の連帯債務者の時効は進行し続けるため、全員の時効管理が必要になりました。ただし「別段の意思表示」があれば相対的効力を絶対的効力にする合意も可能です(441条但書)。求償権(442条〜445条)については、連帯債務者の一人が弁済等で共同の免責を得た場合、他の連帯債務者に対して各自の負担部分に応じた求償権を持ちます(442条1項)。管理費の連帯債務の場面では、区分所有法6条1項が「区分所有者の義務は特定承継人にも承継される」として管理費滞納が専有部分の買主(特定承継人)にも引き継がれる点と、共有者間の連帯債務の相互関係を整理して理解することが管業実務には必要です。特に滞納管理費の回収では連帯債務者の全員への請求・時効管理が重要な実務課題となります。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。