問題
マンションの専有部分を共有するA・Bが、共同で管理組合に対して管理費100万円の支払い義務を負っている(連帯債務)場合について、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
「連帯債務」とは、複数の人が同じ債務を全額負担する場合です(民法436条)。連帯債務者の一人に生じた出来事が全員に影響する(絶対的効力)か、その人だけに影響する(相対的効力)かが重要です。改正民法では、弁済など債権を満足させる事由のほかは、更改・相殺・混同だけが他の連帯債務者にも効力を生じ(438条〜440条)、それ以外は原則として相対的効力となりました(441条)。請求(訴訟)は相対的効力事由となり、Aへの請求はBには影響しません。よって正答はエです。
連帯債務(民法436条〜445条)において、2017年改正で絶対的効力事由が大幅に縮小されました。改正後に他の連帯債務者にも効力が及ぶのは、弁済等の債権を満足させる事由のほか、更改(438条)・相殺(439条1項)・混同(440条)であり、それ以外は相対的効力です(441条)。相対的効力事由(他の連帯債務者に影響しない)には請求・免除・時効の完成・承認等が含まれます。アは「Aへの請求(訴訟)がBにも効力を生じる」としていますが、2017年改正後は請求は相対的効力事由であり、Aへの請求はBの時効に影響しません。イは誤りです。連帯債務では各債務者が全額の履行義務を負う(436条)ため、Aが自己の持分に相当する50万円を弁済しても、残りの50万円の弁済義務を免れません(弁済した50万円の範囲で全員の債務が消滅するだけです)。ウは「求償不可」が誤りで、442条1項により、全額弁済したAはBに対してBの負担部分に応じた求償権を有します。エが改正後の効力の区分を正確に示しており正答です。
連帯債務の絶対的効力事由の縮小は2017年改正民法の重要な変更点です。改正前は「請求」も絶対的効力事由(時効中断効が全員に及ぶ)でしたが、改正後は相対的効力事由となりました(441条)。これにより債権者は連帯債務者の一人に対して請求しても他の連帯債務者の時効は進行し続けるため、全員の時効管理が必要になりました。ただし「別段の意思表示」があれば相対的効力を絶対的効力にする合意も可能です(441条ただし書)。求償権(442条〜445条)については、連帯債務者の一人が弁済等で共同の免責を得た場合、他の連帯債務者に対して各自の負担部分に応じた求償権を持ちます(442条1項)。連帯債務者の一人に対する免除や、一人についての時効の完成は他の連帯債務者に効力を生じませんが、その場合でも他の連帯債務者は、免除を受けた者や時効が完成した者に対して求償権を行使できます(445条)。管理費の連帯債務の場面では、区分所有法8条が「前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」として管理費滞納を専有部分の買主(特定承継人)にも請求できるとしている点と、共有者間の連帯債務の相互関係を整理して理解することが管業実務には必要です。特に滞納管理費の回収では連帯債務者の全員への請求・時効管理が重要な実務課題となります。
- 民法第436条e-Govで原文を読む
- 建物の区分所有等に関する法律第8条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

