管業 民法・区分所有法 問38:債権・契約
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
管理組合が区分所有者Aに対して管理費100万円の債権を有しているが、Aは第三者Bに対して金銭債権を持っているにもかかわらず請求しようとしない。この場合の債権者代位権に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア管理組合はAがB(第三者)に対して持つ金銭債権を、自己の名で代位行使するためには、Aが無資力であることは要件とならない。
- イ管理組合がAの債権を代位行使した場合、取立てた金銭はまず管理組合の債権に充当され、残りをAに返還する。
- ウ債権者代位権の行使は、原則として債務者の財産管理に介入するため、Aが自ら債権を行使しない場合にのみ代位権を行使できる。正答
- エ管理組合がAに代位してBに請求した場合、BはAに対して有する抗弁事由(例:同時履行の抗弁)を管理組合に対して主張することはできない。
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「債権者代位権」とは、債務者(A)が自分の権利を行使しないせいで債権者(管理組合)が損をしそうな場合に、債権者がAに代わってAの権利を行使できる制度です(民法423条)。Aが自ら権利を行使している場合は代位できません(Aの自由意思を尊重)。取立てた金銭は管理組合が直接受領できますが、Aの債務の弁済に当然充当されるわけではなく、Aへの返還を求めたうえで相殺等の手続きを取ります。よって正答はウです。
債権者代位権(民法423条〜423条の7)の要件は、①被保全債権が弁済期にあること(423条2項・緊急の場合は例外)、②債務者が権利を行使していないこと(423条1項本文)、③保全の必要性(通常は債務者の無資力・一身専属権でないこと)、です。アは「無資力要件不要」としていますが、金銭債権の保全では原則として債務者の無資力が必要です(423条1項・「自己の債権を保全するため必要があるとき」)。ただし例外的に無資力不要の場面(登記請求権の代位行使等)もあります。イは「取立て金をまず管理組合の債権に充当」としていますが、2017年改正で423条の3が新設され「代位権者は債務者に対して金銭を自己に引き渡すよう請求できる」とされましたが、当然充当されるわけではありません。エは「BがAへの抗弁をCに主張できない」が誤りで、423条の4は「債務者の相手方は、代位権者に対して、債務者に対して生じた事由の対抗が可能」と規定しています。ウが「Aが自ら行使しない場合にのみ代位可能」を正確に示しており正答です。
債権者代位権(423条〜423条の7)は2017年改正で大幅に整備されました。従来は判例・学説に委ねられていた多くの問題が明文化されています。主な改正内容は(1)代位行使できる権利の範囲(一身専属権・差押禁止債権は除く・423条1項)、(2)被保全債権の弁済期要件(423条2項・保存行為は弁済期前でも可)、(3)代位行使の範囲(被保全債権の額を超えて代位行使不可・423条の2)、(4)相手方の抗弁権(423条の4)、(5)代位権行使後の債務者の処分権制限(423条の5)、です。特に(5)については改正前は「代位権行使後に債務者が権利処分をしても債権者に対抗不可」とする解釈が判例上あり、改正後は債務者が権利を処分することを妨げない(ただし代位権者への効力は維持)とされました。管理業務の実務では、管理組合が区分所有者の第三者への損害賠償請求権や賃料請求権等を代位行使して滞納管理費の回収を図る場面があります。ただし代位権行使よりも訴訟・強制執行等の直接回収手段が実務上優先されることが多く、代位権は補充的な手段として位置づけられます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。