管業 民法・区分所有法 問39:債権・契約
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
区分所有者Aがその専有部分を売主として売買契約を締結した。売買契約成立後・引渡し前に、天災(大地震)によって専有部分が滅失した。この危険負担に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア特定物の売買では、危険は契約成立時に買主に移転するため、買主は代金を支払わなければならない。
- イ2017年改正民法では、目的物の引渡しがあった後に当事者双方の責めに帰することができない事由で滅失した場合、買主は代金支払義務を免れることができない。
- ウ天災による滅失は売主・買主双方に帰責事由がなく、売主の債務は履行不能として消滅するため、買主も代金支払義務を免れる(当事者の一方は解除権を取得する)。正答
- エ危険負担の問題は、売買契約には適用されず、賃貸借契約にのみ適用される。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインも明記。
「危険負担」とは、契約した物が誰の責任でもなく滅失してしまった場合に、どちらが損害を負担するか、という問題です。2017年改正民法では「引渡し前に双方の責めでなく滅失した場合は、買主は代金を払わなくてよい(解除権が発生する)」とするルール(536条)に変わりました。よって正答はウです。
危険負担(民法536条)は2017年改正で大きく変更されました。改正前は「債権者主義(特定物の場合は債権者・買主が危険を負担)」が原則でしたが、改正後は「債務者主義(引渡し前の滅失は売主が危険を負担し、買主は代金支払義務を負わない・解除権が発生する)」が採用されました(536条1項)。アは「契約成立時に買主に危険移転」としており旧法の考え方(債権者主義)であり、改正後は誤りです。イは「引渡し後の滅失では買主は代金免除不可」としており、536条2項「引渡しがあった後は、当事者双方に責任がなくても買主は代金支払を拒めない(危険は引渡しで移転)」の規定を示していますが、本問は「引渡し前」の問題なので直接の正答ではありません。エは「売買以外にのみ適用」が誤りで、536条は双務契約全般に適用されます。ウが改正後の危険負担の基本(引渡し前の双方無帰責滅失→解除権発生)を正確に示しており正答です。
危険負担の2017年改正は、改正前の「特定物の場合の債権者主義(民法旧534条)」を廃止し、「引渡し主義(536条・引渡しによって危険が移転)」に統一したことが最大の変更点です。改正後の536条1項は「当事者双方の責に帰することができない事由によって債務が履行不能となった場合、債権者は反対給付の履行を拒むことができる」と規定します。同2項は「債権者の責に帰すべき事由により債務が履行不能となった場合は、債権者は反対給付の履行を拒むことができない」と規定し、債権者の帰責事由がある場合は債権者(買主)が危険を負担することになります。改正後の危険負担は「解除権の発生」という形で処理されます(532条の反対解釈・契約解除でリスク調整)。実際の適用場面では、引渡し前の建物滅失では買主は代金支払を拒絶でき、既払代金は不当利得として返還請求できます(または解除による原状回復・545条)。マンション売買では、売買契約成立から引渡しまでの間に台風・地震等の災害で専有部分が損傷・滅失するケースがあり、売主は損傷のリスクを負い、リスク分担に応じた保険(建物保険)の加入期間の取り決めを売買契約書で明確化することが実務上重要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。