問題
区分所有者Aがその専有部分を売主として売買契約を締結した。売買契約成立後・引渡し前に、天災(大地震)によって専有部分が滅失した。この危険負担に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
「危険負担」とは、契約した物が誰の責任でもなく滅失してしまった場合に、どちらが損害を負担するか、という問題です。2017年改正民法では、引渡し前に双方の責めに帰することができない事由で滅失した場合、買主は代金の支払を拒むことができ(536条1項)、契約を解除することもできます(542条1項1号)。よって正答はエです。
危険負担(民法536条)は2017年改正で大きく変更されました。改正前は「債権者主義(特定物の場合は債権者・買主が危険を負担)」が原則でしたが、改正後は、債権者(買主)は反対給付(代金)の履行を拒むことができるとされ(536条1項)、あわせて履行不能を理由に契約を解除できます(542条1項1号)。アは「契約成立時に買主に危険移転」としており旧法の考え方(債権者主義)であり、改正後は誤りです。イは誤りです。売主が目的物を引き渡した後に当事者双方の責めに帰することができない事由で滅失・損傷したときは、買主は代金の支払を拒むことができません(567条1項後段。危険は引渡しによって買主に移転)。ウは「売買以外にのみ適用」が誤りで、536条は双務契約全般に適用されます。エが改正後の危険負担(履行拒絶権)と解除の組み合わせを正確に示しており正答です。
危険負担の2017年改正は、改正前の特定物売買の債権者主義(民法旧534条)を廃止し、引渡し前は債務者(売主)が危険を負担する(536条1項の履行拒絶権)一方、引渡し後は買主が危険を負担する(567条1項)という形に整理したことが最大の変更点です。改正後の536条1項は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」と規定します。同条2項は「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない」と規定し、債権者の帰責事由がある場合は債権者(買主)が危険を負担することになります。反対給付の債務を確定的に消滅させるには、履行不能を理由に契約を解除します(542条1項1号。改正により債務者の帰責事由は解除の要件ではなくなりました)。実際の適用場面では、引渡し前の建物滅失では買主は代金支払を拒絶でき、既払代金は不当利得として返還請求できます(または解除による原状回復・545条)。マンション売買では、売買契約成立から引渡しまでの間に台風・地震等の災害で専有部分が損傷・滅失するケースがあり、売主は損傷のリスクを負い、リスク分担に応じた保険(建物保険)の加入期間の取り決めを売買契約書で明確化することが実務上重要です。
- 民法第536条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

