民法・区分所有法40債権・契約

管業 民法・区分所有法 問40:債権・契約

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

管理組合が区分所有者Aに対して管理費100万円の債権を有しているところ、Aが管理費滞納中に自己の専有部分を市場価格より著しく低い価格で知人Bに売却した。この詐害行為取消権に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 詐害行為取消権の行使には、Aが管理組合を害することを知って行為をしたことが必要であるが、Bがそのことを知っていたかどうかは要件とならない。
  • 管理組合は詐害行為取消権を行使するには、まずAに訴訟を提起してAの不法行為を確認した後でなければ取消権を行使できない。
  • 詐害行為取消権は、詐害行為(売却)の時から20年が経過すれば行使できなくなる(除斥期間)。
  • 管理組合が詐害行為取消権を行使するには、受益者Bが詐害行為の時に債権者を害することを知っていたこと(悪意)が必要であり、Bが善意であれば取り消すことができない。正答
正答:管理組合が詐害行為取消権を行使するには、受益者Bが詐害行為の時に債権者を害することを知っていたこと(悪意)が必要であり、Bが善意であれば取り消すことができない。

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「詐害行為取消権(さがいこうい取消権)」とは、お金を貸した人が、債務者(お金を借りた人)が財産を意図的に減らすような行為(安売り・贈与等)をした場合に、その行為を取り消す権利です(民法424条)。この取消権を使うには、債務者A本人だけでなく、財産を受け取った相手(受益者B)も「債権者を害すること」を知っていた(悪意である)ことが必要です。Bが善意(事情を知らなかった)であれば取り消せません(424条1項ただし書)。よって正答はエです。

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詐害行為取消権(民法424条〜426条)の要件は、①被保全債権が詐害行為前の原因に基づき生じていること、②債務者が債権者を害する行為(財産の減少等)をしたこと、③債務者に詐害の意思(管理組合を害することを知っていた)があること(424条1項本文)、④受益者(B)がその行為の時に債権者を害することを知っていたこと(悪意。424条1項ただし書)、です。エはこの受益者の悪意要件を正確に示しており正答です。アは「Bの悪意が要件とならない」としていますが、424条1項ただし書が「その行為の時において受益者がその債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない」と規定し、受益者Bの悪意が要件となるため誤りです。イは「先にAへの訴訟が必要」が誤りで、詐害行為取消請求は受益者B(または転得者)を被告として直接訴えを提起します(424条の7第1項)。ウは「行為の時から20年」としていますが、426条は「債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から2年」または「行為の時から10年」を経過したときに行使できなくなると定めており、「20年」は誤りです。

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詐害行為取消権(424条〜426条)は2017年改正で大幅に改正されました。主な改正点は(1)取消権の要件明確化(詐害意思の要件・受益者の悪意要件)、(2)行為類型に応じた特則(相当価格での売却・特定の債権者への担保供与・過大な代物弁済等)の新設(424条の2〜424条の4)、(3)行使方法の整理(債権者自身が自己への支払い・引渡しを求められる仕組みを明確化・424条の9)、(4)効果の帰属(認容判決の効力は債務者及び全ての債権者に及ぶ・425条)、です。本問の核心である受益者の主観要件は424条1項ただし書が定め、受益者が善意であれば取消しはできません(エが正答)。なお、相当の対価を得てした財産処分行為については424条の2が特則を設け、隠匿等の処分のおそれ・債務者の隠匿等の意思・受益者の悪意という加重要件を課しています。期間制限(426条)は「債権者が詐害の事実を知った時から2年」または「行為の時から10年」で、いずれも経過により取消権が消滅します(ウの「20年」は誤り)。マンション管理実務では、滞納管理費を持つ区分所有者が財産隠匿目的で不動産を廉価売却するケースがあり、詐害行為取消権の行使が問題となります。取消権行使は専門的法律知識を要するため、弁護士への依頼が実務上の基本です。424条の9により受益者に対して直接支払請求が可能となり、回収の実効性が高まりました。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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