管業 民法・区分所有法 問41:賃貸借・借地借家
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
マンションの区分所有者Aが自己の専有部分を賃貸し、賃借人Bから敷金50万円を受領した。賃貸借が終了した場合の敷金に関して、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア敷金は賃貸借契約の存続中は保証として機能するため、賃借人Bは敷金をもって賃料の支払いに充てるよう請求することができる。
- イ賃貸借終了後にAがBに敷金を返還する際、AはBが負担すべき原状回復費用(賃借人の責めに帰すべき損傷の修繕費用)を控除した後の残額を返還する。正答
- ウ専有部分がAからCに売却された場合、敷金は当然にCに承継され、Cが賃貸借終了時にBに返還する義務を負う。
- エ賃貸借契約が終了した場合でも、Bが専有部分を明け渡さない限り、Aは敷金を返還する義務を負わない。
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「敷金」は、賃借人が家賃を払わなかった場合などに備えて預ける保証金です(民法622条の2)。賃貸借が終了して部屋を明け渡した後、オーナー(A)は賃借人Bが負担すべき損傷の修繕費等を差し引いて残りを返還します。Bが自分から「敷金で家賃を払って」とは言えません。物件が売却されて新オーナーになった場合、敷金は原則として新オーナーに承継されます。よって正答はイです。
敷金(民法622条の2)は2017年改正で明文化されました。622条の2第1項は「敷金は、いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう」と定義します。アは「Bが敷金を賃料に充てるよう請求できる」が誤りで、622条の2第2項は「賃借人は賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けた時、または賃借人が適法に賃借権を譲渡した時に、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない」と規定し、賃借人からの充当請求は認めていません。ウは「売却で当然承継」としていますが、賃貸物件の売却によって賃貸人たる地位が移転した場合の敷金承継については622条の2が移転した賃貸人に承継を認めており、概ね正しい方向ですが「当然に」という点で例外もあります。エは「明渡しなければ返還不要」が誤りで、返還時期は「明渡し時」ですが明渡し後は返還義務が生じます。
敷金(622条の2)の2017年改正前は判例(最判昭和48年2月2日等)によって規律されていましたが、改正後は明文化されました。主要規定として①敷金の充当(622条の2第1項本文・賃貸人は弁済期到来した賃料等に敷金を充当可)、②賃借人からの充当請求禁止(622条の2第2項・「賃借人は、賃貸人に対し、敷金をもってその債務の弁済に充てることを請求することができない」)、③返還時期(明渡し後・622条の2第1項)が重要です。賃貸物件の譲渡に伴う敷金承継については、最判昭和44年7月17日が「賃貸人たる地位が移転すれば敷金関係も承継される(未精算の敷金は新賃貸人に引き継がれる)」としており、改正後も同様の扱いです(605条の2第4項)。ただし賃借人Bが従前の賃貸人Aとの間で敷金不承継の特約をしている場合は別論です。原状回復との関係(621条・敷金からの控除対象)については、「通常損耗・経年劣化は賃借人負担外、特別損耗は賃借人負担」が明確化されており(2017年改正・621条)、マンション管理業務の実務では退去時の精算トラブルの予防として入居時の現状確認書(チェックリスト)作成が標準的対応です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。