管業 民法・区分所有法 問43:賃貸借・借地借家
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
マンションの専有部分の賃借人Bが、賃貸人Aの承諾を得て部屋にエアコン(造作)を設置した。賃貸借終了時の造作買取請求権について、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア造作買取請求権は強行規定であり、賃貸人Aと賃借人Bがあらかじめ「造作買取請求権を行使しない」旨の特約を締結しても無効となる。
- イ賃貸人Aがエアコン設置を「承諾した」場合でも、賃貸借期間終了時にAがBに買取りを要求しない限り造作買取請求権は発生しない。
- ウ賃借人Bが造作買取請求権を行使した場合、Aが代金を支払うまでBは専有部分の明け渡しを拒めるという同時履行の抗弁権が認められる。正答
- エ賃貸人の承諾なしに設置したエアコンについても、Bは造作買取請求権を行使することができる。
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「造作買取請求権」とは、賃借人が家主(賃貸人)の承諾を得て取り付けた設備(造作)を、契約終了時に家主に買い取ってもらう権利です(借地借家法33条)。この権利は「任意規定(特約で排除可能)」なので、特約で「買取請求しない」と決めていれば行使できません。また買取代金の支払いと明け渡しは同時履行の関係にあると解されています。よって正答はウです。
借地借家法33条は「建物の賃貸借が終了した場合において、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作があるときは、賃借人は賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる」と規定します。アは「強行規定」としていますが、造作買取請求権は37条が「この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは無効とする」という強行規定の範囲を定める中で造作買取請求権(33条)を含んでいないため、排除特約が有効とされます(借地借家法37条の適用外・任意規定)。イは「Aの要求が必要」が誤りで、造作買取請求は「賃借人」の権利であってAが要求する制度ではありません。エは「賃貸人の承諾なく設置した造作」について、33条が「賃貸人の同意を得て付加した造作」とする要件を満たさないため買取請求権は行使できません。ウの同時履行の抗弁権については判例で認められており(最判昭和29年7月22日)正答です。
造作買取請求権(借地借家法33条)の法的性質は形成権(一方的意思表示で効果が生じる)であり、行使により「賃借人が造作をAに売却し、Aが代金支払義務を負う」売買が成立します。「時価」による買取義務が生じますが、時価は設置時の取得価格ではなく賃貸借終了時の客観的価値(中古市場価格等)を基準とします。造作の範囲については、33条の「建物に付加した畳、建具その他の造作」として、建物から分離独立して取り外せない程度に付着し、賃借人が所有し、建物使用上の便益を増すものと解されています(エアコン・造り付け棚等が典型例)。賃貸人の承諾(33条1項)は造作の付加を許可することであり、単なる設置の黙認では足りないとする見解もあります。同時履行の抗弁権(ウ・民法533条の類推適用)については、判例(最判昭和29年7月22日)が認め、Bは代金受領まで明け渡しを拒絶できます。なお定期借家契約(借地借家法38条)においても造作買取請求権を特約で排除することが可能であり、実務上は賃貸借契約書で排除特約を設けることが一般的です。管業実務では入居者からの造作買取請求権の行使が退去時のトラブルとなりやすく、特約の有効性確認が重要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。