管業 民法・区分所有法 問52:相続
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
マンション区分所有者Aが「自己の専有部分を長男Bに相続させる」旨の遺言を残した場合について、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自書し押印することで成立するが、財産目録に限りパソコンで作成したものでも有効となる場合がある。正答
- イ遺言者Aが死亡した後、自筆証書遺言は直ちに執行でき、家庭裁判所の検認を経る必要はない。
- ウ「相続させる」旨の遺言があっても、BはAの他の相続人全員の同意なしに不動産の所有権移転登記を申請することができない。
- エ遺言書に「長男Bに専有部分を相続させる」と書いてある場合、公正証書遺言とは違い、他の相続人に対しても常に対抗できない。
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自筆証書遺言は、すべて自分で手書きして(日付・氏名も含む)押印することで成立します(民法968条)。2018年改正で、財産目録に限りパソコンや通帳コピーを添付することが認められるようになりました(968条2項)。ただし自筆証書遺言は原則として家庭裁判所での「検認(けんにん)」が必要です(ただし法務局保管の場合は不要)。よって正答はアです。
自筆証書遺言(968条)の要件は、①全文の自書(本文だけでなく全て手書き)、②日付の自書、③氏名の自書、④押印、の四点です。2018年改正で968条2項が加わり「財産の目録を添付する場合には、その目録については自書することを要しない(ただし各ページに署名押印が必要)」とされました。アがこの改正を正確に示しています。イは「検認不要」が誤りで、自筆証書遺言は執行前に家庭裁判所の検認(1004条1項)が必要です(ただし法務局の遺言書保管制度を利用した場合は検認不要・遺言書保管法11条)。ウは「他の相続人全員の同意が必要」が誤りで、「相続させる」旨の特定財産承継遺言では、単独で相続登記申請が可能です(最判平成3年4月19日等・2017年改正で民法899条の2により登記なしに対抗できる持分は法定相続分のみとされた点も重要)。エは「他の相続人に対抗不可」が誤りで、公正証書・自筆証書の別で対抗力の有無は変わりません。正答はアです。
自筆証書遺言の方式(968条)は2018年改正で財産目録の非自書が認められ、2020年から法務局での保管制度(遺言書保管法)も始まりました。法務局保管の場合は家庭裁判所の検認が不要(遺言書保管法11条)であり、遺言書の偽造・改ざんリスクも軽減されます。公正証書遺言(969条)は公証人が作成するため方式の厳格性が高く、原本が公証役場に保管され、検認も不要(1004条2項)で偽造リスクが最低です。「相続させる」遺言(特定財産承継遺言・民法1014条2項)については最判平成3年4月19日が「法定相続分を超える部分は登記なしに第三者に対抗できない」とし、民法899条の2(2017年改正)がこれを明文化しています。つまりBが専有部分について相続登記をしなければ、Bの持分のうち法定相続分を超える部分を第三者に対抗できないことになります。マンション管理実務では、区分所有者の死亡後に遺言による相続人の特定・相続登記完了の確認が管理費請求先変更に必要であり、速やかな相続登記を促すとともに未相続期間中の管理費請求手続きを整備することが重要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。