問題
マンションの専有部分の売買契約に関し、「管理組合の承認を得られた場合に売買代金を支払う」という条項が設けられた。この条項の法的性質および効力について、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
「条件」には2種類あります。「停止条件」は、ある出来事が起きたら権利・義務が発生するもの、「解除条件」は、ある出来事が起きたら権利・義務が消滅するものです。本問では「管理組合の承認があれば代金を支払う」という条項で、承認という出来事が起きた時点で支払義務が発生します。これは典型的な停止条件です(民法127条1項)。よって正答はアです。
民法127条1項は「停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる」と規定します。「停止条件」とは効力の発生を将来の不確実な事実の成否にかからせる条件です。本問の「管理組合の承認を得られた場合に代金を支払う」は、承認という不確実な事実の発生によって代金支払義務が発生する停止条件に当たります。イは「解除条件(127条2項)」の説明で、これは条件成就で既存の権利義務が消滅するものです。本問は義務の発生なので停止条件が正確です。ウは停止条件が成就する前に裁判上の請求ができるとしていますが、停止条件未成就段階では債権は発生していないため誤りです(ただし条件付権利の保護は128条・129条で別途規定)。エは条件妨害について、民法130条1項が「条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる」と規定しており、代金を支払うことになる買主が故意に承認を妨げた場合、売主は条件が成就したものとみなすことができるため、エは誤りです。
条件と期限の規定は民法127条〜137条に体系化されています。停止条件(127条1項)と解除条件(127条2項)の区別は、法律効果の発生・消滅のいずれを将来の不確実な事実にかからせるかによります。不確実性がなく確実に到来する事実にかかる場合は「期限」(135条〜137条)となります。本問のように第三者の承認を停止条件とする契約はマンションの取引でも見られ、管理規約でも専有部分の修繕等に理事長の承認を要するとする例があります。条件成就を妨害した場合の擬制(130条1項)は信義則に基づく規定で、改正前から置かれていました。2017年改正(2020年施行)では同条2項が新設され、「条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる」として、逆方向の操作にも対応しています。不確定期限(「Aが死亡したとき代金を払う」など確実だが時期が不確定)と停止条件の区別も重要で、不確定期限は期限到来で効力が生じる一方、停止条件は成就しない可能性があります。
- 民法第127条・第130条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

