問題
長期修繕計画に耐震改修・バリアフリー化(共用部分のスロープ設置・エレベーター追設等)を組み込む際の法的手続きに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
エレベーターを新たに設置(追設)することは建物の形を大きく変える工事です。この場合は区分所有法17条の、普通決議より多くの賛成が必要な決議が求められることがあります。また、建築確認の手続が必要になる場合もあります。エが正答です。
エレベーターの追設は既存建物に昇降設備を新たに設けるもので、共用部分の形状又は効用の著しい変更として区分所有法17条の決議が必要となる場合があります。2026年4月1日施行の改正法では、この決議は区分所有者及び議決権の各過半数を有する者が出席した集会で出席者の各4分の3以上が原則で(17条1項)、高齢者・障害者等の移動等の円滑化のための変更は3分の2以上に緩和されます(同条5項)。また、政令で指定する昇降機を一定の建築物に設ける場合は建築確認等の規定が準用されます(建築基準法87条の4)。エが正答です。アは誤りです。基本的構造部分への加工が小さい耐震補強は普通決議で実施できると整理されており、耐震改修促進法25条の認定を受けた建物の耐震改修には特例もあります。イは誤りです。階段へのスロープ併設・手すりの追加は普通決議で実施できると整理されています(標準管理規約47条関係コメント⑧ア)。ウは誤りです。耐震改修促進法25条3項は、要耐震改修認定建築物の耐震改修について、区分所有法17条1項の特別の多数決を単に「集会の決議」(普通決議)と読み替える特例で、5分の4以上とするものではありません。
耐震改修・バリアフリー化の決議要件は、区分所有法17条(共用部分の変更)と特例法の関係で整理します。耐震改修について、耐震改修促進法25条は、耐震診断が行われた区分所有建築物の管理者等が所管行政庁に耐震改修の必要性の認定を申請でき(1項)、認定を受けた建築物の耐震改修が共用部分の形状又は効用の著しい変更に当たる場合でも、区分所有法17条1項の要件を「集会の決議」と読み替える(3項)と定めています。つまり認定を受ければ普通決議で耐震改修ができます。標準管理規約(令和7年10月改正)47条3項二号も、同法25条2項の認定を受けた建物の耐震改修を特別決議事項から除いています。認定を受けない場合でも、柱やはりに炭素繊維シートや鉄板を巻き付ける補修や、基本的構造部分への加工が小さい耐震部材の設置は普通決議で実施可能と考えられ、基礎部分等を切断して免震構造化する工事など加工が大きいものは、瑕疵の除去に必要な変更として出席者の各3分の2以上の決議(47条4項一号イ)で実施可能と考えられています(同条関係コメント⑧イ)。バリアフリー化について、同コメント⑧アは、建物の基本的構造部分を取り壊す等の加工を伴わずに階段にスロープを併設し手すりを追加する工事は普通決議、階段室部分を改造したり外壁に外付けしたりしてエレベーターを新たに設置する工事は47条4項一号ロ(出席者の各3分の2以上)に該当するとしています。ただし、いずれも各工事の具体的内容に基づく個別の判断になります。建築確認について、建築基準法87条の4は、政令で指定する昇降機その他の建築設備を同法6条1項一号又は二号の建築物に設ける場合に確認等の規定を準用しています。長期修繕計画にこれらの改修を組み込む際は、決議要件と行政手続を事前に整理し、総会の招集通知で決議要件が緩和される旨とその理由を示す必要があります(標準管理規約43条4項)。
- 建物の区分所有等に関する法律第17条e-Govで原文を読む
- 建築物の耐震改修の促進に関する法律第25条e-Govで原文を読む
- 建築基準法第87条の4e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

