問題
マンション管理組合の役員が負う義務及び責任に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
役員が注意を怠ったり誤った判断をしたりして管理組合に損害を与えれば、その役員は管理組合に対して損害賠償責任を負います。これが正答ウです。アの「無償なら善管注意義務なし」は誤りで、民法644条の善管注意義務は報酬の有無で区別していません。イの「民事責任は組合に対してのみ」も、エの「役員個人は一切責任なし」も、断定が誤りです。
区分所有法28条は、管理者の権利義務は区分所有法及び規約に定めるもののほか委任に関する規定に従うと定め、民法644条は「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と定めています。同条は有償・無償を区別していません。役員がこの義務に違反して管理組合に損害を与えた場合、債務不履行による損害賠償責任を負います。よってウが正答です。標準管理規約37条1項も、役員は法令、規約及び使用細則等並びに総会及び理事会の決議に従い、組合員のため誠実にその職務を遂行するとしています。アについて、無償であっても善管注意義務は課されます。イについて、横領のような不法行為は、被害を受けた者に対する損害賠償責任(民法709条)の問題となり、「組合に対してのみ」とは限定できません。エについて、役員に故意・過失があれば個人の責任が問題となり、「一切の責任を負わない」とはいえません。
役員の責任は、管理組合との内部関係と第三者との外部関係に分けて整理します。内部関係では、理事長は区分所有法上の管理者とされ(標準管理規約38条2項)、その権利義務は委任に関する規定に従います(区分所有法28条)。受任者の善管注意義務(民法644条)は報酬の有無を問わないため、無報酬の役員も通常の注意では足りません。標準管理規約37条1項は誠実義務を定め、コメント第37条関係①は、役員が管理組合の財産の毀損の防止及びそのために必要な措置を講じるよう努めるものとし、特に外部の専門家の役員就任に当たっては、判断・執行の誤りによる財産毀損に係る賠償責任保険への加入や保険限度額の充実に努めるべきこと、故意・重過失による財産毀損は保険の対象外であることを指摘しています。外部関係では、管理者がその職務の範囲内で第三者とした行為について区分所有者が責めを負う割合は区分所有法29条1項が定めますが、役員自身が故意・過失により第三者に損害を加えれば、民法709条の不法行為責任が問題になります。管理組合法人の場合は、代表理事その他の代表者が職務を行うについて第三者に加えた損害を法人が賠償する責任を負います(区分所有法47条10項による一般社団法人及び一般財団法人に関する法律78条の準用)。役員の責任を追及する場面では、利益相反取引の承認手続(標準管理規約37条の2)や監事の監査(41条)が予防の役割を果たします。以上から、正答はウです。
- 民法第644条・第709条e-Govで原文を読む
- 建物の区分所有等に関する法律第28条・第29条・第47条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

