マン管
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

マン管 管理組合の運営 問36|理事長の専決事項と事後承認の法的効果

問題

マン管 | 管理組合の運営 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

マンション管理組合において、理事長が理事会決議なく緊急専決した修繕工事について、後の理事会で事後承認が否決された場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

理事長が代表権の範囲内で結んだ契約であれば、後で理事会の承認が得られなかったとしても、それは管理組合の内部の問題です。業者との契約が当然に無効になるわけではありません。これが正答ウです。アの「当然に無効」、イの「支払いを完全に拒否できる」、エの「常に個人責任」は、いずれも断定が誤りです。

理事長は管理組合を代表し(標準管理規約38条1項)、区分所有法上の管理者とされます(同条2項)。管理者は職務に関し区分所有者を代理し(区分所有法26条2項)、その代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗することができません(同条3項)。代表権の範囲内の行為であれば、理事会の事後承認が否決されたことは内部的な問題にとどまり、業者との契約の効力が当然に否定されるわけではありません。よってウが正答です。アについて、承認の否決だけで契約が当然に無効になるという規定はありません。イについて、仮に契約の効力が否定される場合でも、管理組合が工事による利益を受けていれば不当利得の問題が生じうるため、「完全に拒否できる」とはいえません。エについて、理事長個人の責任は、代表権の逸脱や善管注意義務違反などがあるかによって判断され、「常に」負うものではありません。

この問題は、代表権の範囲、内部的な手続、相手方の保護の三つに分けて考えます。第一に代表権の範囲です。標準管理規約は、災害等の緊急時における必要な保存行為を理事長が総会又は理事会の決議によらずに行えるとし(21条6項)、その支出も理事長が行えるとしています(58条6項)。保存行為を超える応急的な修繕工事は、災害等で総会の開催が困難な場合に理事会で決議します(54条1項十五号)。コメント第21条関係⑩⑪は、応急的な修繕行為を理事長単独で実施できる旨や、理事長が単独で実施できる保存行為の費用の限度額を規約で定めておくことも考えられるとしています。第二に内部的な手続です。規約や決議で理事長の権限に内部的な制限を設けても、管理者の代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗できません(区分所有法26条3項)。したがって、内部手続を欠いたことや事後承認が否決されたことは、原則として管理組合の内部の問題として扱われます。第三に内部責任です。管理者の権利義務は委任に関する規定に従い(区分所有法28条)、受任者は善良な管理者の注意をもって事務を処理する義務を負う(民法644条)ため、権限を逸脱した専決や不適切な支出があれば理事長の管理組合に対する責任が問題になります。事後承認の否決は、この内部責任を検討する契機となります。以上から、正答はウです。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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