マン管 管理組合の運営 問52:管理組合の運営
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
区分所有法第7条第2項の特定承継人の責任に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ア前の区分所有者が滞納した管理費等について、その専有部分を購入した新しい区分所有者(特定承継人)は、一切責任を負わない。
- イ特定承継人は、前の区分所有者の管理費等の滞納について、当然に連帯して支払義務を負うが、購入時に管理組合から滞納状況の告知を受けていた場合のみ責任を負う。
- ウ区分所有法7条2項は「規約もしくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる」と規定しており、前の区分所有者の滞納管理費は新区分所有者(特定承継人)に対しても請求できる。正答
- エ特定承継人の責任は、前の区分所有者の全期間分の滞納管理費に及ぶが、その滞納額が100万円を超える場合は特定承継人は責任を負わない。
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マンションを買った人(特定承継人)は、前の所有者が滞納していた管理費も引き継いで支払う義務があります(区分所有法7条2項)。「知らなかった」「告知を受けていない」という事情は免責理由になりません。これが正答ウです。アの「一切責任を負わない」は誤りです。イの「告知を受けた場合のみ」という条件も誤りです。エの「100万円超は免責」という金額制限もありません。
区分所有法7条2項は「前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。管理組合法人においては、この条の規定は、その財産上の先取特権について準用する」と規定するとともに、同条3項・判例の解釈により「前の区分所有者が滞納した管理費等の債権は、その区分所有権を譲り受けた特定承継人に対しても行使することができる」ことが確立しています(立法趣旨・最判平成3年4月19日参照)。よってウが正答です。アについて、特定承継人の引継ぎ責任は区分所有法7条2項の明文(「特定承継人に対しても行使することができる」)に基づく法定義務であり、「一切責任を負わない」は誤りです。イについて、特定承継人責任は「告知の有無」「善意悪意」に関係なく法定されており、事前の告知がなくても責任を負います(最判参照)。エについて、金額による免責制限の規定は区分所有法に存在しません。
特定承継人の管理費支払義務は、マンション管理実務において最頻出の実務論点の一つであり、不動産取引(マンション売買)にも重大な影響を持ちます。区分所有法7条2項の「特定承継人」とは、区分所有権を個別・特定的に取得した者(売買による買主・競売による落札者・贈与による受贈者等)を指し、「一般承継人」(相続人・合併後の法人)とは区別されます。特定承継人責任の法的根拠については、区分所有関係における管理費等の債権に「物的負担」(区分所有権に付随する負担)としての性質を認め、所有権の移転とともに新所有者が引き継ぐという解釈に基づきます。これは土地の物的負担(地役権・地上権等の物権的効力)と類似した考え方です。実務上の重要性として、不動産取引(マンション売買)では宅建業者が重要事項説明書(宅建業法35条)に「管理費等の滞納額」を記載する義務があります。ただし宅建業者が滞納状況を管理組合に照会した場合でも、管理組合が正確な情報を開示しないケースや、理事会が滞納状況を把握していないケースがあり、情報管理の問題が生じます。特定承継人の責任範囲については「前の区分所有者が滞納した全期間の管理費等(元本+遅延損害金)」に及びますが、金額・期間の上限は法定されていないため、長期滞納(数年分・数百万円)の管理費が新所有者に引き継がれる場合があります。この問題を防ぐため、マンション購入前に管理組合(または管理業者)に滞納状況を照会し、残債がある場合は売買代金からの充当・清算条項を売買契約書に盛り込む実務対応が不動産業界の標準となっています。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。