問題
区分所有法上の管理者を兼ねる理事長に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
管理者の行為の効果は区分所有者に及びますが、「どんな場合でも管理者個人に責任が生じない」とはいえません。管理者は委任の規定に従って善良な管理者の注意で職務を行う義務を負うからです(区分所有法28条、民法644条)。これが最も不適切なエです。ア(毎年1回の招集:34条2項)、イ(損害賠償金等の請求・受領の代理:26条2項)、ウ(代理権の制限は善意の第三者に対抗できない:26条3項)は、いずれも区分所有法どおりです。
区分所有法34条2項は「管理者は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない」と定めており、アは正しい記述です。同法26条2項は、管理者がその職務(保険金並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領を含む)に関し区分所有者(保険金等については、請求権を有する区分所有者又は区分所有者であった者)を代理すると定めており、イも正しい記述です。同条3項は「管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない」と定めており、ウも正しい記述です。エについて、管理者の権利義務は区分所有法及び規約に定めるもののほか委任に関する規定に従い(28条)、受任者は善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負います(民法644条)。職務の範囲内の行為について区分所有者が責めを負う割合は29条1項が定めますが、管理者個人の責任が一切生じないとはいえません。よってエが最も不適切です。
管理者の権限と責任は、区分所有法25条から29条と43条で骨格が定められています。25条1項は、規約に別段の定めがない限り集会の決議で管理者を選任・解任するとし、標準管理規約は理事長を管理者としています(38条2項)。26条1項は、共用部分等の保存、集会の決議の実行、規約で定めた行為をする権利義務を定め、同条2項は職務に関する区分所有者の代理を定めます。令和7年改正後の同項は、保険金等の請求及び受領について、請求権を有する区分所有者であった者(書面又は電磁的方法で別段の意思表示をした者を除く)も代理の対象に含めています。これを受けて標準管理規約24条の2は、理事長が区分所有者及び旧区分所有者を代理すること、請求・受領は理事長による一元的な行使に限ること、区分所有権を譲渡した場合に26条2項の別段の意思表示を行わないことを定めました。26条3項は代理権に加えた制限を善意の第三者に対抗できないとし、同条4項は規約又は集会の決議により職務に関し区分所有者のために原告又は被告となれることを定めます。29条1項は、管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者が責めを負う割合を14条の割合(規約で管理経費の負担割合を定めたときはその割合)とし、同条2項はその債権を特定承継人にも行えるとします。管理者は毎年1回一定の時期に集会で事務に関する報告をしなければならず(43条)、少なくとも毎年1回集会を招集しなければなりません(34条2項)。そして28条により委任の規定に従うため、善管注意義務(民法644条)に反して区分所有者に損害を与えれば、管理者個人の責任が問題になります。以上から、正答はエです。
- 建物の区分所有等に関する法律第28条・第34条・第25条e-Govで原文を読む
- 民法第644条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

