問題
マンションの建築確認・完了検査に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
建物を建てるには「建築確認済証」をもらってから工事を始める必要があります。エはこれが正しい記述です。確認前に着工すると違法で、工事の停止を命じられることがあります。完了検査の申請は義務で、検査済証の交付を受けるまでは原則として使用できません(イが誤り)。確認申請は代理人(設計者等)も申請できます(ウが誤り)。売買契約は検査済証交付前でも可能です(アが誤り)。
エが正答です。建築基準法6条1項の建築物の建築等をしようとする建築主は、工事着手前に建築主事等の確認(又は指定確認検査機関の確認)を受けなければならず、確認済証の交付を受けた後でなければ工事をすることができません(6条8項)。これに違反して工事をした場合は、特定行政庁による工事の施工停止命令等(建築基準法9条)の対象となり得ます。イは誤りです。建築主は工事を完了したときは、工事が完了した日から4日以内に到達するように建築主事等に完了検査を申請しなければならず(7条1項・2項。指定確認検査機関の検査を受ける場合は7条の2)、検査済証の交付を受けるまでは、原則として建築物を使用し、又は使用させてはならないとされています(7条の6。仮使用の認定等の例外あり)。ウは誤りで、建築確認申請は建築主から委任を受けた代理者が行うこともでき、建築士は「建築物の建築に関する法令又は条例の規定に基づく手続の代理」を業務として行うことができます(建築士法21条)。アは誤りで、建築基準法に売買契約の締結時期を制限する規定はありません。なお宅建業者が自ら売主となる場合などは、宅建業法により、工事完了前の建物について建築確認等を受けた後でなければ広告(33条)や売買契約の締結(36条)をしてはならないとされていますが、これは「確認」を受けた後であればよく、検査済証の交付までは求めていません。
建築確認・完了検査制度はマンションの資産価値・住宅ローン取得・将来の増改築に直結します。2005年に発覚した構造計算書偽装問題を受けた2007年施行の建築基準法改正で確認審査が厳格化され、①構造計算適合性判定の導入、②階数3以上の共同住宅に係る中間検査の義務付けなどが実施されました。過去には完了検査を受けていない建物も多く、検査済証が無い建物は増改築・用途変更の際に問題となります。増築・大規模修繕・用途変更では原則として現行建築基準法への適合が求められますが、「既存不適格建築物の増築等に係る建築基準法の規定の緩和」(令137条の2等)により、一定条件下では既存部分の現行化を求めない特例があります。分譲マンション購入時の確認事項として①確認済証・検査済証の有無、②竣工時の建築計画概要書(特定行政庁で閲覧可能)、③修繕工事の工事完了届・変更確認の有無を確認することが重要です。管理組合は確認済証・検査済証・竣工図面を竣工時の重要書類として保管し、大規模修繕・改修工事時に設計者が参照できるよう管理することが実務上重要です。検査済証が見当たらない場合は、特定行政庁の台帳記載事項証明書(確認・検査の履歴の証明)や建築計画概要書の閲覧により、検査の有無を確認できる場合があります。条文の細部も押さえておきましょう。完了検査の申請を受理した建築主事等は、受理した日から7日以内に検査を行い、建築物と敷地が建築基準関係規定に適合していると認めたときは検査済証を交付します(7条4項・5項)。検査済証の交付前でも使用できる例外は、①特定行政庁が安全上・防火上・避難上支障がないと認めたとき(仮使用の認定)、②建築主事等又は指定確認検査機関が国土交通大臣の定める基準に適合していると認めたとき、③完了検査の申請が受理された日から7日を経過したときの3つです(7条の6第1項ただし書)。中間検査は、階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち政令で定める工程のほか、特定行政庁が指定する工程(特定工程)が対象で、建築主は特定工程に係る工事を終えた日から4日以内に建築主事等に到達するように申請し、中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、特定工程後の工程に係る工事を施工することができません(7条の3)。試験では「検査済証が無ければ例外なく使用できない」「完了検査の申請は任意」「検査済証の交付前は売買契約を結べない」といった、例外や適用範囲を無視した断定が典型的なひっかけです。
- 建築基準法第6条・第9条e-Govで原文を読む
- 宅地建物取引業法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

