マン管
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

マン管 建築・設備 問19|既存不適格建築物の扱い・増改築制限

問題

マン管 | 建築・設備 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

既存不適格建築物に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、最も適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

既存不適格建築物とは、建てたときは合法だったけれど法改正で現在の基準を満たさなくなった建物です。違法建築ではありません(アが誤り)。この建物を増築する場合、原則として既存部分も含めて現在の法律に合わせなければなりません(イが正しい記述)。ただし一定の緩和規定があります。私法上の売買・賃貸自体は制限されません(ウが誤り)。建替えで「既存と同じ規模でOK」という特例は認められません(エが誤り)。

イが正答です。建築基準法3条2項は、規定の施行・適用の際に現に存する建築物(又は工事中の建築物)が改正後の規定に適合しない場合、その規定を適用しないとしています(既存不適格建築物)。しかし、規定の施行・適用の後に工事に着手する増築・改築・移転・大規模の修繕・大規模の模様替に係る建築物には、原則として現行の規定が適用されます(3条3項3号・4号)。ただし86条の7と政令(令137条の2〜137条の12)により、一定の範囲で既存部分に現行規定を適用しない緩和があります(例:構造耐力規定について、増築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2以下の場合等=令137条の2)。アは誤りで、既存不適格建築物は違反建築物ではないため、違反を理由とする9条の除却命令等の対象にはなりません。ただし、既存不適格建築物であっても、著しく保安上危険な場合等には10条による勧告・命令の対象となり得ます。ウは誤りで、既存不適格建築物であることを理由として売買・賃貸などの私法上の法律行為を制限する規定はありません。エは誤りで、建替え(取り壊し後の新築)は「新築」として扱われ既存不適格の継続は認められず、全ての規定が適用されます。

既存不適格と違法建築の区別はマン管・管理業務主任者試験共通の重要論点です。既存不適格の主な原因は①用途地域の変更・都市計画変更(建蔽率・容積率の変更)、②建築基準法の改正(耐震基準・防火規定の強化)、③道路の指定変更等です。旧耐震基準建物・旧用途地域での容積率超過建物が典型例で、日本全国に相当数存在します。構造耐力規定についての緩和(令137条の2)は、増築等の部分の床面積の合計が基準時の延べ面積の1/2を超えるか、1/20(50m²を超える場合は50m²)を超え1/2以下か、1/20(50m²)以下かに応じて、既存部分に求められる基準が段階的に定められています。マンション管理の実務では、既存不適格が大規模修繕や建替え計画に影響します。建築基準法上の「大規模の修繕」は、主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいい(2条14号)、これに当たると確認申請が必要になる場合や現行規定の適用が問題になる場合があるため、工事の範囲・方法の設定が修繕設計の重要事項になります。管理組合は建築士等の専門家と連携して、建替え・大規模修繕の法的な制約を事前に確認し、区分所有者に正確な情報を提供することが重要です。既存不適格建築物に対する行政の関与も整理しておきます。違反建築物に対する9条の措置命令とは別に、特定行政庁は、6条1項1号に掲げる建築物その他政令で定める建築物で3条2項により規定の適用を受けないもの(既存不適格建築物)について、損傷・腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり又は著しく衛生上有害となるおそれがあると認める場合には、相当の猶予期限を付けて、除却・移転・改築・増築・修繕・模様替・使用中止・使用制限その他必要な措置をとることを勧告でき(10条1項)、勧告を受けた者が正当な理由なく措置をとらなかった場合に特に必要があると認めるときは、その措置を命令できます(同条2項)。さらに、既存不適格建築物の敷地・構造・建築設備が著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合には、勧告を経ずに除却・使用禁止等の措置を命令することもできます(同条3項)。緩和規定を読むときは、令137条が定める「基準時」(3条2項の規定により引き続き規定の適用を受けない期間の始期)を起点に増築等の規模を測ること、86条の7が、増築等をする独立部分以外の独立部分や、増築等をする部分以外の部分に一定の規定を適用しない仕組みを設けていることがポイントです。試験では「既存不適格=違反建築物」「既存不適格なら一切の命令を受けない」「同じ規模で建て替えれば現行法の適用を免れる」という極端な記述が典型的なひっかけです。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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