問題
建築基準法第12条に基づく定期調査・検査報告制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
建築基準法12条では、政令で定める建築物や特定行政庁が指定する建築物について、所有者(管理者が別にいる場合は管理者)が専門家に定期的に調査させて報告する義務があります。マンションも特定行政庁の指定等によってはこの対象になり、特定行政庁が定める時期(おおむね6月〜3年の間隔)に報告します。イが正しい記述です。すべての建物が対象ではなく(アが誤り)、建築士等の有資格者が調査します(ウは「建築士に限る」が不正確)。既存不適格も報告対象になります(エが誤り)。
イが正答です。建築基準法12条1項は、特殊建築物等のうち政令で定めるもの及び特定行政庁が指定するもの(特定建築物)の所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)に対し、敷地・構造・建築設備の状況を定期に資格者に調査させ、特定行政庁に報告する義務を課しています。同条3項は、昇降機・防火設備・建築設備などの特定建築設備等について、同様に定期の検査・報告を求めています。共同住宅は、特定行政庁が規模等を定めて指定することにより対象となるのが一般的で、報告の時期は、おおむね6月から3年までの間隔で特定行政庁が定めます(同法施行規則5条1項)。アは誤りで、対象は政令で定める建築物及び特定行政庁が指定する建築物に限られ、すべての建築物が対象ではありません。ウは誤りで、建築物の定期調査を行えるのは一級建築士・二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者であり(12条1項)、昇降機・防火設備等の検査は一級建築士・二級建築士又は建築設備等検査員(建築設備検査員・防火設備検査員・昇降機等検査員)が行います(12条3項)。建築士以外の資格者も調査・検査を行えます。エは誤りで、定期調査報告書には現時点での法令適合状況を記載する義務があり、既存不適格に関する事項(既存不適格の内容・改修の見通し等)も報告対象です。
建築基準法12条定期調査制度はマンション管理組合の維持保全義務と密接に絡み合います。建築物の定期調査は、敷地・地盤、建築物の外部(外壁等)、屋上及び屋根、建築物の内部(防火区画等)、避難施設等について行い(調査の項目・方法は平成20年国土交通省告示第282号)、建築設備・防火設備・昇降機はそれぞれ12条3項の定期検査として別に扱われます。2014年の建築基準法改正(平成26年法律第54号・2016年6月施行)で、防火設備が独立した定期検査の対象となりました(検査の時期は、おおむね6月から1年までの間隔で特定行政庁が定める=同法施行規則6条1項)。外壁の全面打診等(竣工後・外壁改修後等から10年を超えたタイル・石貼り等の外壁)は建築物の定期調査の一部であり、大規模修繕工事の足場設置の時期に合わせて実施するとコストを抑えられます。マンションでは、区分所有法上の管理者(理事長)等が管理組合として報告を行うのが一般的です。報告をしない又は虚偽の報告をした場合は、100万円以下の罰金の対象となります(建築基準法101条1項2号)。周辺の規定も確認しておきます。国・都道府県・建築主事を置く市町村の建築物は、12条1項の報告制度ではなく、国の機関の長等が、一級建築士・二級建築士又は建築物調査員に定期に損傷・腐食その他の劣化の状況を点検させる制度で扱われます(12条2項。昇降機等の建築設備等は同条4項で、一級建築士・二級建築士又は建築設備等検査員が点検)。また、特定行政庁・建築主事等は、定期報告とは別に、建築物の所有者・管理者・占有者等に対して、敷地・構造・建築設備・用途等に関する報告を求めることができ(同条5項)、職員による立入検査も認められていますが、住居に立ち入る場合には、あらかじめその居住者の承諾を得なければなりません(同条7項ただし書)。12条3項の定期検査の対象となる昇降機・防火設備は施行令16条3項で定められ、昇降機のうち使用頻度が低く劣化が生じにくいことその他の理由により人が危害を受けるおそれのある事故が発生するおそれの少ないものや、防火設備のうち常時閉鎖をした状態にあることその他の理由により対象から除かれるものがあります。試験では「すべての建築物が3年ごとに報告」「調査できるのは建築士だけ」といった、対象・資格者・周期を広げたり狭めたりする記述が典型的なひっかけです。
- 建築基準法第12条・第101条e-Govで原文を読む
- 建物の区分所有等に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

