問題
マンションのエレベーター(昇降機)の点検・管理に関する次の記述のうち、建築基準法及び関連規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
エレベーターの定期検査(建築基準法12条3項)は、建築士または昇降機等検査員が行い、特定行政庁が定める時期(おおむね6か月から1年ごと)に特定行政庁へ報告する義務があります。アが正しい記述です。保守点検の会社はメーカー系に限らず、独立系でも可能です(イが誤り)。閉じ込めが起きたら保守会社に連絡して救出するのが基本で、必ず消防隊を待たなければならないわけではありません(ウが誤り)。2009年の改正で地震時管制運転装置の設置が義務になったのは新しく設置するエレベーターで、それ以前からあるエレベーターは「既存不適格」として、設置が義務付けられてはいません(エが誤り)。
アが正答です。建築基準法12条3項は、昇降機などの特定建築設備等の所有者(管理者が別にいる場合は管理者)に対し、一級建築士・二級建築士又は建築設備等検査員(昇降機等検査員)に定期に検査をさせ、その結果を特定行政庁に報告することを義務付けています。報告の時期は、おおむね6月から1年まで(国土交通大臣が定める検査項目は1年から3年まで)の間隔で特定行政庁が定めます(同法施行規則6条1項)。なお12条4項は国・地方公共団体等の建築物の点検に関する規定です。イは誤りで、保守契約にはフルメンテナンス(FM)契約(部品交換・修理を含む)とPOG(Parts・Oil・Grease)契約(定期点検と消耗品のみ)があり、いずれも独立系保守会社・メーカー系保守会社が提供しており、特定の会社に限定する法律はありません。ウは誤りで、閉じ込め時は保守会社への緊急連絡が第一対応であり、対応手順をあらかじめマニュアル等に定めておくことが重要です(状況に応じて消防に通報することもあります)。エは誤りです。2009年9月施行の施行令改正で、戸開走行保護装置と地震時管制運転装置の設置(施行令129条の10第3項)が義務付けられましたが、改正前から設置されているエレベーターは、改正後の規定に適合しなくても建築基準法3条2項により引き続き使用できる既存不適格となり、遡って設置が義務付けられてはいません(改修時等に適合が求められる場合があります)。
エレベーターの保守管理はマンション管理の重要実務です。保守契約の種類:①フルメンテナンス(FM)契約:定期点検・消耗品交換・修理・部品交換を一括でカバーし、月額費用は高いが突発修理費用が予見可能。②POG契約:定期点検と消耗品(オイル・グリース等)のみで、部品交換・修理は別途費用。月額費用は安いが大規模修理時のコストが突発的になる。独立系保守会社はメーカー系より保守費用が安価な場合がありますが、部品調達・技術力の確認が必要です。2009年9月施行の建築基準法施行令改正は、2006年に東京都港区で起きたエレベーターの死亡事故を受けたもので、①戸開走行保護装置(駆動装置や制御器の故障で、戸が閉じる前にかごが昇降したときに自動的にかごを制止する装置)、②地震時管制運転装置(地震等の加速度を検知して自動的にかごを最寄り階に停止させ、戸を開くことができるようにする装置)の設置が義務化されました。既存のエレベーターは既存不適格として扱われ、設置が法律上義務付けられてはいませんが、安全性向上のため改修が推奨されています。管理組合はエレベーターの更新(リニューアル)時期を把握し、長期修繕計画に費用を計上することが求められます。リニューアルの判断材料は、部品供給の終了・制御盤の陳腐化・定期検査での指摘事項の増加などです。条文の構造も確認しておきましょう。施行令129条の10第3項1号は、駆動装置又は制御器に故障が生じ、かごの停止位置が著しく移動した場合や、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合に、自動的にかごを制止する装置を求めています。同項2号は、地震その他の衝撃により生じた国土交通大臣が定める加速度を検知し、自動的に、かごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、かご及び昇降路の出入口の戸を開き、又はかご内の人がこれらの戸を開くことができることとする装置を求めています。定期検査の対象となる昇降機は施行令16条3項で定められ、使用頻度が低く劣化が生じにくいことその他の理由により人が危害を受けるおそれのある事故が発生するおそれの少ないものは除かれます。12条3項の報告をせず、又は虚偽の報告をした者は100万円以下の罰金の対象です(建築基準法101条1項2号)。試験では「検査できるのは建築士だけ」「報告は3年ごと」といった検査者・周期のすり替え、「保守はメーカー系に限る」という法令に無い限定、「改正後の設置義務は既存にも遡る」という既存不適格の無視が典型的なひっかけです。
- 建築基準法第12条・第3条・第101条e-Govで原文を読む
- 建築基準法施行令e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

