問題
マンションの維持保全に関する次の記述のうち、建築基準法及び同法施行令によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
建築基準法8条は、建物を「常に法律に合った状態」に保つことを求めています。1項は、所有者・管理者・占有者のすべてに、そのように努める義務(努力義務)を課しています。2項は、政令で定める特殊建築物などの所有者又は管理者に、必要に応じて維持保全の準則又は計画を作り、適切な措置をとることを義務づけています。共同住宅の部分の床面積が200㎡を超えるマンションはこれに当たるので、ウが正答です。占有者も1項の対象です(アは誤り)。3,000㎡は倉庫や自動車車庫などの基準です(イは誤り)。国・都道府県などが所有・管理する建物は2項の対象から除かれています(エは誤り)。
ウが正答です。建築基準法8条2項は、同項各号に当たる建築物の所有者又は管理者に対し、敷地・構造・建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講じることを義務づけています。1号の「政令で定める特殊建築物」は施行令13条の3第1項が定め、その1号で、法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までの用途(共同住宅は(二)項)に供する部分の床面積の合計が100㎡を超えるもの(200㎡以下のものは階数3以上に限る)を挙げています。200㎡を超える共同住宅は、階数にかかわらずこれに当たります。アは誤りです。8条1項の努力義務は「所有者、管理者又は占有者」に課されており、賃借人などの占有者も含まれます(2項の義務を負うのは所有者又は管理者です)。イは誤りです。3,000㎡を超えるという基準は、施行令13条の3第1項2号が定める別表第一(五)項・(六)項(倉庫、自動車車庫など)の用途についてのもので、共同住宅の基準ではありません。エは誤りです。8条2項ただし書は、国、都道府県又は建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物を2項の対象から除いています。
建築基準法8条は「維持保全」の見出しのもとで3つの項から成ります。①1項は、建築物の所有者、管理者又は占有者に、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努める義務を課す一般的な規定です。②2項は対象を絞った義務の規定で、(i) 特殊建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(1号)と、(ii) 1号以外の特殊建築物その他政令で定める建築物で特定行政庁が指定するもの(2号)について、所有者又は管理者に、必要に応じた維持保全に関する準則又は計画の作成その他の適切な措置を求めています。③3項は、国土交通大臣が、2項の準則又は計画の適確な作成に資するため、必要な指針を定めることができるとしています。
1号の範囲は施行令13条の3第1項が定めます。同項1号は、法別表第一(い)欄(一)項から(四)項まで(劇場・集会場等、病院・ホテル・共同住宅等、学校・体育館等、百貨店・遊技場等)の用途に供する部分の床面積の合計が100㎡を超えるもの(200㎡以下のものは階数3以上に限る)、同項2号は、(五)項・(六)項(倉庫、自動車車庫・自動車修理工場等)の用途に供する部分の床面積の合計が3,000㎡を超えるものです。また同条2項は、8条2項2号の「政令で定める建築物」を、特殊建築物以外の事務所その他これに類する用途の建築物のうち階数が3以上で延べ面積が200㎡を超えるものとしています。したがって、共同住宅の部分が200㎡を超えるマンションは1号に当たり、特定行政庁の指定を待たずに2項の義務の対象になります。1号に当たらない小規模な共同住宅も、特定行政庁が指定すれば2号により対象となります。
2項ただし書により、国、都道府県又は建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物は2項の対象から除かれます(1項にはこのただし書はありません)。8条は、定期に建築士等に調査させて特定行政庁に報告する12条1項の制度とは別の規定であり、8条自体には、作成した準則又は計画を特定行政庁に提出する定めはありません。さらに、特定行政庁は、既存不適格の建築物の敷地・構造・建築設備に損傷、腐食その他の劣化が生じ、放置すれば保安上危険となり、又は衛生上有害となるおそれがあると認める場合には、所有者、管理者又は占有者に対し、修繕、防腐措置その他の維持保全に関し必要な指導及び助言をすることができます(9条の4)。試験では、①1項の努力義務は占有者も含むこと、②2項の義務を負うのは所有者又は管理者であること、③共同住宅は100㎡超(200㎡以下は階数3以上)で対象になること、④3,000㎡は倉庫・自動車車庫などの基準であること、⑤国等が所有・管理する建築物は2項の対象外であること、の5点を区別できるようにしておきましょう。
- 建築基準法第8条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:建築基準法第8条・同法施行令第13条の3を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

