マン管 建築・設備 問9:建築構造
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンションのRC造建物におけるコンクリートの劣化現象に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- アコンクリートの中性化は大気中のCO₂がコンクリート内部に侵入することで進行するため、CO₂濃度が高い都市部の建物では中性化の進行が速い傾向がある。正答
- イ塩害によるコンクリートの劣化は海岸線から50m以上離れた内陸の建物では発生しないため、立地条件を確認することで完全に防止できる。
- ウコンクリートのひび割れは、すべて構造上の問題が原因であるため、ひび割れを発見した場合には直ちに建物の倒壊危険性があると判断すべきである。
- エコンクリートのかぶり厚さ不足は施工不良に限られ、設計段階で十分なかぶり厚さが確保されていれば経年により減少することはない。
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コンクリートの中性化は空気中のCO₂がコンクリートに染み込んでアルカリ性が低下する劣化です。都市部はCO₂が多いので中性化が進みやすい、というアが正しい記述です。塩害は海の塩分が原因ですが、海から離れていても凍結防止剤(塩化カルシウム)が使われる地域でも起こります(イが誤り)。ひび割れは乾燥収縮・温度変化等でも起き、すべてが危険というわけではありません(ウが誤り)。かぶり厚さは施工不良だけでなく、中性化が進めば見かけ上の有効かぶり厚さが減少します(エが誤り)。
アが正答です。コンクリートの中性化は大気中のCO₂(炭酸ガス)がコンクリート表面から浸透し、水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)と反応して炭酸カルシウム(CaCO₃)を生成することでpHが12〜13から9以下に低下する現象です。CO₂濃度が高い都市部(交通量の多い幹線道路沿い・地下駐車場付近等)では浸透速度が速まる傾向があります。イは誤りで、塩害は①海岸地帯の飛来塩分(海塩粒子)だけでなく、②凍結防止剤(塩化カルシウム・塩化ナトリウム)の散布、③海砂使用の施工不良(施工時の混入)でも発生します。海岸から50m以上でも凍結防止剤使用地域では塩害が生じる可能性があります。ウは誤りで、コンクリートのひび割れには乾燥収縮・温度変化・凍結融解(非構造的ひび割れ)と、外力・不同沈下・構造耐力低下が原因のひび割れ(構造的ひび割れ)があります。非構造的ひび割れがほとんどを占め、すべてが倒壊危険につながるわけではありません。エは誤りで、中性化前線がかぶり厚さ位置に達した時点で実質的な保護機能が失われるため、時間の経過とともに鉄筋を守る有効なかぶり厚さが減少すると考えられます。
コンクリートの劣化機構の理解はマンション維持保全・大規模修繕計画の核心です。中性化(carbonation)の速度は一般に「拡散方程式」に近似され、中性化深さ=A×√t(tは経過年数、Aは中性化速度係数)で表されます。中性化速度係数Aは水セメント比・骨材・養生方法・環境CO₂濃度に依存し、都市部屋外では0.5〜1.0mm/√年程度が多く見られます。設計かぶり厚さ40mm(屋外面)を確保しても、竣工から40〜50年程度で中性化前線がかぶり厚さに到達する計算となります。塩害は塩化物イオン(Cl⁻)が鉄筋表面に到達し、不動態皮膜(保護酸化皮膜)を局所的に破壊して活性溶解(孔食・全面腐食)を引き起こす現象です。腐食生成物(錆)の体積膨張(約2.5〜3倍)がコンクリートを内側から圧迫し、かぶりコンクリートの爆裂(スポーリング)・剥落を招きます。コンクリートのひび割れは幅・深さ・方向・分布パターンで性状を評価します。ひび割れ幅0.3mm以上は要注意(日本建築学会基準)、0.2mm以下の表面乾燥収縮ひび割れはシーリング補修・表面塗布型補修材で対応可能です。構造的ひび割れ(45°方向のせん断ひび割れ・柱梁接合部ひび割れ・連続的な梁方向のひび割れ等)は構造設計者による評価が必要です。管理組合は竣工時のコア抜き試験記録・定期調査報告書・修繕履歴を保管し、中性化・塩化物イオン浸透深さの計測値をトレンド管理することで適切な補修タイミングを判断できます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。