マン管 民法・区分所有法 問10:民法総則
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンション管理組合が法人格を有する場合(管理組合法人)における能力及び行為に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア管理組合法人は、その定款(規約)で定めた目的の範囲内に限り、法律行為をすることができ、目的外の行為は絶対的に無効である。
- イ管理組合法人の理事が法人と利益相反する取引を行う場合は、法人を代表することができず、特別代理人の選任が必要である。
- ウ管理組合法人が解散した場合、清算が完了するまでの間は、清算の目的の範囲内において法人格が存続する。正答
- エ意思無能力者が法律行為をした場合、その行為は取り消すことができるが、第三者の保護のため、意思無能力を主張するには相手方への反証が必要である。
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管理組合法人が解散しても、清算が終わるまでは「清算の目的の範囲内」で法人格が続きます(ウ:正しい)。意思無能力者の行為は「取消」ではなく「無効」です(エ:誤り)。理事の利益相反は、特別代理人でなく「監事」または「特別代理人」の選任が区分所有法の定めに従い必要です(イ:注意が必要)。正答はウです。
ウは民法476条(清算法人の能力)の趣旨であり、解散後も清算目的の範囲内で法人格が存続するという法の一般原則に則っており、区分所有法(47条以下)の管理組合法人にも適用されます。ウが正答。アについて、法人の権利能力の範囲に関しては、「目的の範囲内」(旧34条・現代は一般法人法の概念)の制限が問題になりますが、「絶対的に無効」ではなく、目的外行為も相手方保護の観点から有効性が争われることがあり(最高裁判例は「目的の範囲」を広く解釈)、アの「絶対的に無効」という表現は不正確です。イについて、区分所有法51条は「管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、理事は代表権を有しない。この場合においては、監事が管理組合法人を代表する」と規定しており、「特別代理人の選任が必要」という記述は誤りです(監事が代表します)。エについて、改正民法3条の2は「法律行為の当時において意思能力を有しなかった者は、その法律行為を無効とすることができる」と規定します。旧法では「意思無能力者の行為は無効(絶対的)」でしたが、改正民法は取消ではなく「主張できる(援用型)無効」と整理しました。いずれにせよ「取消」ではないためエは誤りです。
管理組合法人(区分所有法47条〜64条)は、区分所有法に基づく特別法人であり、一般社団法人法・民法の補充適用を受けます。管理組合法人の能力・代表・解散は以下の通りです。①能力(区分所有法47条1項):管理組合法人は「区分所有建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体」として成立し、法人格を持ちます。目的の範囲について、判例(最判昭和45年6月24日・八幡製鉄政治献金事件は一般法人の事例)は「定款の目的を逸脱した行為は無効」としていましたが、近年は「目的の範囲」を広く解釈する傾向があり、絶対的無効とは言えません。②利益相反(区分所有法51条):理事と管理組合法人の利益相反取引では、理事は代表権を失い、「監事」が代表します。民法(一般社団法人法等)の「特別代理人」制度とは異なる点が試験で狙われます。③解散(区分所有法55条〜57条):管理組合法人の解散事由は①建物の全部滅失、②建物に専有部分がなくなった場合、③集会決議(区分所有者及び議決権の各3/4以上)等です。解散後は清算手続に入り、清算人が選任されます(区分所有法56条)。清算完了まで法人格が存続するのは民法の一般原則に基づきます。意思無能力(民法3条の2)については、2020年改正で「無効とすることができる」(主張適格を持つ者が無効を主張する形式)に整理されました。保護の方向性は「意思無能力者側が主張しない限り無効と扱われない」ではなく、「意思無能力者側が主張することで無効が確定する」という援用型無効です。取消ではありません。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。