民法・区分所有法11民法総則

マン管 民法・区分所有法 問11:民法総則

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

マンション管理組合の会計処理や区分所有者間の取引に関連した心裡留保・虚偽表示に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、最も適切なものはどれか。

  • 心裡留保(表意者が真意でないことを知りながらした意思表示)は原則として有効であるが、相手方が表意者の真意でないことを知っていた場合、その意思表示は無効となる。正答
  • 通謀虚偽表示(相手方と通謀して虚偽の意思表示をすること)は無効であるが、当該虚偽表示が有効であると信じた第三者に対しては、善意であれば悪意(虚偽であることを知っていた)の第三者を含めて無効を対抗できない。
  • 通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できないが、善意の第三者は登記を備えていなければ、他の権利者に対抗することができない。
  • 区分所有者が管理費の支払いを免れるため、自己のマンションを第三者に仮装譲渡した場合、管理組合は仮装譲渡について善意無過失の第三者に対しても、通謀虚偽表示の無効を主張できる。
正答:心裡留保(表意者が真意でないことを知りながらした意思表示)は原則として有効であるが、相手方が表意者の真意でないことを知っていた場合、その意思表示は無効となる。

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心裡留保(民法93条)は、「本音と違う意思表示」のことで、原則有効です。ただし相手方が「本当の意思でないことを知っていた(悪意)または知り得た(有過失)」場合は無効になります(ア:正しい)。通謀虚偽表示の無効は「善意の第三者に対抗できない」ですが、その第三者が登記を備えているかどうかに関係なく保護されるという考えが判例の立場です(ウ:誤り)。正答はアです。

標準試験対策の基準レベル

民法93条1項ただし書きは「相手方が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができた場合」は無効とします(「知ることができた」は重過失または有過失を含む)。アが正答。イについて、民法94条2項は「通謀虚偽表示の無効は善意の第三者に対抗することができない」と規定します。「悪意の第三者を含めて無効を対抗できない」という記述はイとしての誤りです。悪意の第三者には無効を対抗できます。ウについて、判例(最判昭和44年5月27日)は「94条2項の善意の第三者は登記なくして保護される」としています。善意の第三者保護は登記の有無に関係ないため、ウは誤り。エについて、仮装譲渡の事案(通謀虚偽表示)では、管理組合が仮装譲渡を知らない(善意)場合は第三者として保護されます。管理組合自身が善意であれば、元の区分所有者との関係でも虚偽表示の無効を援用して管理費を請求できます(むしろ管理組合は善意の第三者として保護される側)。エは文脈が逆で誤りです。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

通謀虚偽表示(民法94条)は「表意者と相手方が通謀して、真意とは異なる虚偽の外観を作出した場合」に適用されます。第三者保護の「善意」は「通謀虚偽表示であることを知らなかった」ことであり(悪意はその事実を知っていること)、過失の有無は民法94条2項上は明文で問われていません(判例・通説は無過失不要)。ただし「94条の類推適用」(積極的虚偽外観作出ではなく消極的外観放置の場合)では、判例(最判昭和45年7月24日等)が「善意かつ無過失」を要求することがあります。民法93条(心裡留保)の保護構造は①原則有効、②相手方の悪意または有過失で無効、③第三者の保護(同条2項:善意の第三者には無効対抗不可)の三層です。ただし93条2項の「第三者」は94条2項と同様に「善意の第三者」であり、登記要否については94条2項と同様の扱いとなります。マンション実務では区分所有者が管理費滞納・競売逃れのために仮装譲渡(通謀虚偽表示)を行うケースがあります。この場合①管理組合は善意の第三者として94条2項の保護を受け、仮装譲渡の無効を主張して原所有者への管理費請求を維持できる、②仮装譲受人が登記を備えていても管理組合は善意の第三者として保護される(登記不要)という整理が実務上重要です。また94条2項類推適用事例として、不実の外観を承認・放置した者の帰責性と第三者の信頼保護のバランスが問題になる「権利外観法理」の一般論も、近年の判例発展に伴い出題可能性があります。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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