マン管 民法・区分所有法 問9:民法総則
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
管理組合が区分所有者に対して有する管理費等の滞納請求権について、時効の完成猶予及び更新に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- ア管理組合が滞納者に対して支払督促を申立てた場合、当該申立ての時から時効の完成が猶予され、支払督促が確定した場合は時効が更新される。
- イ滞納者が管理費の一部を弁済した場合、その時点で時効が更新(中断)され、新たな時効期間が進行し始める。
- ウ管理組合が書面による催告をした場合、催告の時から6ヶ月間、時効の完成が猶予されるが、当該催告は1回限りであり、更に催告しても完成猶予の効果は生じない。正答
- エ管理組合が滞納者に対して訴訟を提起した場合、訴訟が終了するまでの間、時効の完成が猶予される。
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2020年改正民法は「時効の中断・停止」を「完成猶予・更新」に整理しました。催告による完成猶予は「催告の時から6ヶ月」ですが、「1回限り」ではありません。ただし催告後の「再催告」に完成猶予効果を認めると際限なく時効を延ばせてしまうため、催告後6ヶ月以内に訴訟提起等の強力な措置を取らないと完成猶予効が失われます。ウは「1回限りで更なる催告に効果なし」と言っているのが誤りです。正答はウです。
民法150条(催告による時効の完成猶予)は「催告があったときは、その時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」と定めています。ただし同条2項で「催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、時効の完成猶予の効力を有しない」と規定しています。ウは「1回限り」「更なる催告に完成猶予効果が生じない」点では正しい内容ですが、問題は「催告は1回限り」という表現が「2回目以降の催告自体ができない」と誤解させる点です。正確には「完成猶予期間中の再催告は効力を生じない(時効は6ヶ月で完成する)」という意味であり、催告が有効なのは最初の1回の猶予期間(6ヶ月)内に訴訟提起等の措置が必要という趣旨です。アについて、支払督促の申立ては民法148条1項7号の「強制執行等」に準じて扱われ、完成猶予・確定後の更新が認められます。正しい。イについて、滞納者が一部弁済をした場合は「債務の承認」(民法152条)として時効が更新(中断)されます。正しい。エについて、訴訟提起は民法147条1項1号「裁判上の請求」に該当し、訴訟が終了するまで完成猶予効があります(同条1項)。正しい。よってウが正答(「1回限り」の表現が実質的に誤解を招く不正確な記述)。
2020年改正民法は旧法の「時効の中断・停止」を「時効の完成猶予(旧・停止に相当)」と「時効の更新(旧・中断のうち時効期間を新たにする効果に相当)」に整理しました。主要な完成猶予・更新事由の整理は①裁判上の請求(民法147条:訴訟終了まで完成猶予、確定判決等で更新)、②強制執行等(民法148条:終了まで完成猶予、終了で更新)、③仮差押・仮処分(民法149条:終了から6ヶ月完成猶予)、④催告(民法150条:6ヶ月完成猶予・更新効なし)、⑤協議合意(民法151条:合意から1年等完成猶予・書面必要)、⑥承認(民法152条:承認した時から時効更新)です。催告(民法150条)の重要ポイントは「更新効はなく完成猶予のみ」「6ヶ月以内に訴訟提起等をしないと時効完成」「猶予期間中の再催告は効力なし(延命不可)」という三点です。管理組合実務では、①毎月の発生から最大5年以内に法的措置(支払督促・訴訟提起)または承認(一部弁済・債務承認書の差入)を確保する、②規約で管理費の遅延損害金率・時効管理手続を明定する(標準管理規約60条参照)、③少額訴訟(60万円以下)の活用、という三本柱が実務対策です。なお改正民法で新設された「協議による完成猶予」(民法151条)は、書面または電磁的記録による合意があれば、①合意成立から1年、②合意で定めた協議期間(1年未満)、③当事者の一方が協議続行を拒絶した書面通知から6ヶ月、のいずれか早い時期まで完成猶予が認められる制度で、管理費滞納交渉の円滑化に活用できます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。