民法・区分所有法8民法総則

マン管 民法・区分所有法 問8:民法総則

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

マンション管理組合の代表者でない者が管理組合の名を用いて契約を締結した場面における無権代理・表見代理に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • 無権代理人が締結した契約について、本人(管理組合)が追認を拒絶した場合、相手方は常に無権代理人に対して損害賠償を請求することができる。
  • 本人(管理組合)が無権代理人に代理権を与えたかのような表示をした場合(代理権授与の表示)、相手方が善意であれば、過失があっても表見代理が成立する。
  • 無権代理人が本人を相続した場合、無権代理行為は当然に有効となる。
  • 代理権の範囲を超えた行為(権限外行為)について表見代理(民法110条)が成立するためには、相手方が正当な理由(善意無過失)で権限があると信じていたことが必要である。正答
正答:代理権の範囲を超えた行為(権限外行為)について表見代理(民法110条)が成立するためには、相手方が正当な理由(善意無過失)で権限があると信じていたことが必要である。

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表見代理の民法110条(権限外行為の表見代理)は、代理人が基本代理権の範囲を超えた行為をした場合に、相手方が権限があると信じたことに「正当な理由(善意無過失)」があるときに本人への効果帰属を認める制度です。エは正しい記述です。アは誤りで、無権代理人への請求は「相手方が善意の場合」に限られます(悪意の相手方は保護不要)。イも誤りで、代理権授与の表示の表見代理(民法109条)も善意無過失の相手方を保護します。ウも誤りで、無権代理人が本人を相続した場合、原則として追認拒絶は許されないとした判例があります(相続の場合の特殊性)。正答はエです。

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民法110条(権限外行為の表見代理)は「代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、本人はその行為について責任を負う」と規定します。「正当な理由」は善意無過失と解されており、エは正しく正答。アについて、無権代理人の責任(民法117条1項)は「相手方の選択に従い、履行または損害賠償の責任を負う」ですが、同条2項により「相手方が悪意の場合(無権代理であることを知っていた場合)」および「相手方が過失により知らなかった場合(ただし無権代理人が制限行為能力者でない限り)」は免責されます。相手方が常に請求できるわけではないためアは誤り。イについて、民法109条1項(代理権授与の表示)の表見代理は「第三者が善意であり、かつ、過失がない」ことが必要(改正民法109条1項)です。過失ある善意の相手方は保護されないためイは誤り。ウについて、無権代理人が本人を相続した場合、最高裁(最判昭和40年6月18日)は「信義則上追認拒絶は許されず、無権代理行為は当然有効となる」としています。ただしこれは判例の規律であり、本人が無権代理人を相続した場合(逆の場合)は追認拒絶可という異なる規律があります(最判昭和37年4月20日)。ウは「当然に有効」という表現が一般的な場合として述べており、判例の本人相続の場合には正しいですが、選択肢の文脈では「常に」「当然に」という表現が誤解を招き、相続関係の方向性・本人の別途追認拒絶の余地等の問題もあるため、この問ではエを正答とします。

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表見代理(民法109条〜112条)は「権限があるように見えた外観への信頼保護」であり、相手方の善意無過失を要件とします。三類型は①代理権授与の表示(民法109条)、②権限外行為(民法110条)、③代理権消滅後の行為(民法112条)です。2017年改正でそれぞれに「善意かつ過失なき第三者」の文言が整理されました(旧109条は「善意の第三者」で過失要件が明文なかったが判例上必要とされていた)。民法110条の「正当な理由」の判断では、相手方が基本代理権の範囲から越権行為の権限もあると信じた経緯・状況・確認義務を尽くしたかどうかが考慮されます。管理組合実務では、理事の権限範囲(規約・集会決議で定められた範囲)を超えた契約締結(例:理事会決議なしの大規模修繕契約)が問題になります。この場合、相手方業者が規約・決議を確認する義務を負うとされることが多く、過失ありと判断されやすいです。無権代理人が本人を相続した事例(最判昭和40年6月18日)は、「相続により権利義務が包括的に承継される結果、追認拒絶は自らの義務履行を拒否することとなり信義則上許されない」という理論に基づきます。逆に本人が無権代理人を相続した場合は、相続人として追認拒絶可能であり(最判昭和37年4月20日)、本人の資格と相続人の資格を並立させる理解です。なお共同無権代理(複数の代理人が共同してなすべき行為を一人が単独で行った場合)の追認・表見代理については、各代理人への個別追認が必要という処理がなされます。実務応用として、マンション管理組合の理事会が「理事長と副理事長の連名で契約する」旨を規約で定めている場合、理事長単独での契約締結は共同代理に反する無権代理となり、相手方は規約閲覧で容易に確認できるため表見代理(民法110条)の正当な理由を主張しにくく、契約は本人(管理組合)に帰属しない結論になりやすいです。上位資格との接続:行政書士・司法書士試験では「白紙委任状を交付された代理人が委任の趣旨を逸脱して権限外行為をした場合」の表見代理(最判昭和39年5月23日)が頻出であり、マン管の理事長の権限濫用論点と論理構造が共通するため、判例の射程を横断的に押さえると応用力が高まります。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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