マン管 民法・区分所有法 問16:物権
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンションを担保に取得する抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- ア抵当権者は、抵当不動産を占有して使用・収益することができる。
- イ抵当権の効力は、抵当不動産に付合した物(増築部分等)には及ばない。
- ウ抵当不動産が第三者に賃貸されて賃料が支払われている場合、抵当権者は債務不履行があっても、その賃料への物上代位は認められない。
- エマンションの専有部分に設定された抵当権の効力は、当該専有部分に係る敷地利用権にも及ぶ。正答
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抵当権は「担保として使う」だけで、物を占有しません(ア:誤り)。占有するのは質権です。抵当権の効力は建物に付合したもの(増築部分等)にも及びます(イ:誤り)。賃料への物上代位は認められます(ウ:誤り)。マンションの専有部分の抵当権はその敷地利用権にも当然に及びます(エ:正しい)。正答はエです。
区分所有法22条2項(敷地利用権との一体性)及び民法370条(付加一体物への抵当権の効力)により、専有部分に設定された抵当権はその敷地利用権にも及びます。エが正答。アについて、抵当権は占有を移転しない非占有担保物権です(民法369条1項参照)。抵当権設定者は引き続き不動産を使用・収益できます。アは誤り。イについて、民法370条は「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となった物に及ぶ」と規定します。増築部分・附属物等付合物にも抵当権の効力が及ぶため、イは誤り。ウについて、民法372条が準用する304条(先取特権の物上代位)により、抵当権者は目的物の売却・賃貸・滅失・毀損により債務者が受けるべき金銭に物上代位できます。賃料への物上代位は最判平成元年10月27日で認められており、ウは誤り。
抵当権(民法369条〜396条)はマン管試験で区分所有権・敷地利用権との関係で出題されます。非占有担保物権としての抵当権の最大の特徴は「設定者が使用・収益を継続できる」点であり、これが企業・個人の資金調達を容易にする制度設計です。民法370条(付加一体物)は抵当権の効力範囲を定め、付合した物・従物(抵当権設定時に存在する従物は抵当権設定時から効力が及ぶ:最判昭和44年3月28日)に効力が及びます。物上代位(民法372条準用304条)の手続きとして、抵当権者は差押えを先行させる必要があります(差押え前払渡・引渡し後は物上代位不可・最判平成10年1月30日)。マンションの専有部分と敷地利用権の一体性(区分所有法22条)により、専有部分のみへの抵当権設定は原則として敷地利用権にも及びます。競売の際も専有部分と敷地利用権は一体として処理されます(民事執行法73条)。根抵当権(民法398条の2〜398条の22)は極度額の範囲内で不特定の複数債権を担保する抵当権の変形で、管理会社・建設業者等が管理組合・マンション所有者に対して設定することがあります。根抵当権の確定(元本確定・特定の時点での確定)後は、通常の抵当権と同様の規律が適用されます。個人根保証の極度額設定(民法465条の2)は2020年改正で個人の根保証全般に拡大されており、管理組合が個人保証人に根保証を設定させる場合も適用されます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。