民法・区分所有法17物権

マン管 民法・区分所有法 問17:物権

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

マンション管理における留置権及び先取特権に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 管理業者がマンションの修繕工事を完成させたが、管理組合が代金を支払わない場合、管理業者はその建物全体を占有して代金が支払われるまで留置することができる。
  • 区分所有法に基づく管理費等の先取特権は、共益費用の先取特権に当たり、抵当権に優先する。
  • 区分所有者が滞納した管理費・修繕積立金に対して、管理組合は区分所有法7条に基づく先取特権を有し、専有部分・共用部分持分・敷地利用権の上に当該先取特権を行使することができる。正答
  • 留置権は、他の担保物権と同様に、債権者は目的物を占有して収益を得ることができる。
正答:区分所有者が滞納した管理費・修繕積立金に対して、管理組合は区分所有法7条に基づく先取特権を有し、専有部分・共用部分持分・敷地利用権の上に当該先取特権を行使することができる。

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区分所有法7条は管理費・修繕積立金の滞納について管理組合に先取特権を与えており、専有部分・共用部分持分・敷地利用権のすべてに行使できます(ウ:正しい)。留置権は「占有して代金を払ってもらうまで返さない権利」ですが、収益(家賃収入等)を得る権利はありません(エ:誤り)。管理業者が建物全体を留置できるか(ア)は、工事対象物と債権の牽連性が問題です。正答はウです。

標準試験対策の基準レベル

区分所有法7条1項は「区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分の持分及び敷地利用権を含む)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する」と規定します。ウが正答。アについて、留置権(民法295条)は「他人の物を占有する者が、その物に関して生じた債権を有する場合に、その債権の弁済を受けるまで留置できる」権利です。管理業者が「建物全体」を留置するには、工事した部分と建物全体の牽連性が問題です。判例(最判昭和43年11月21日)は「工事を施した部分とその対象物の牽連性」を重視しており、建物全体の留置は通常認められません(工事した部分への留置が限界)。アは誤り。イについて、区分所有法8条は管理費等の先取特権が「共益費用の先取特権」(民法306条3号)に該当するとしますが、先取特権の一般的順位では「不動産特別先取特権(工事先取特権等)」や「抵当権」との優先関係は個別に問題になります。区分所有法8条では「先取特権の優先順位は他の債権者との関係で一般先取特権の例に倣う」旨が定められており、抵当権に当然優先するとは言えません。イは誤り。エについて、留置権者は目的物から収益を得る権利がなく(民法298条3項:収益は一定条件で費用回収に充てることができるが原則として自己利益に供することはできない)、エは誤り。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

区分所有法7条の先取特権はマン管試験で頻出の最重要論点の一つです。その内容を整理します。①先取特権の被担保債権:共用部分・敷地・附属施設に関する債権、または規約・集会決議に基づく債権(管理費・修繕積立金・特別徴収金等)。②先取特権の目的:債務者(滞納した区分所有者)の「区分所有権(共用部分持分・敷地利用権を含む)」および「建物に備え付けた動産」。③行使方法:区分所有法8条で先取特権の行使について民法の規定(先取特権の実行・民法303条以下)が準用されます。④他の債権との優先関係:区分所有法8条後段は「共益費用の先取特権と同一の順位を有する」と規定しますが、抵当権との優先関係は民法の一般原則に従います(設定時期・特別先取特権との関係で変わる)。実務では、滞納管理費の回収手段として先取特権の実行(動産執行・不動産競売の申立て)が用いられます。ただし先取特権の実行は強制執行と異なり「確定判決不要」で申立てできる反面、「差押え→競売→配当」の手続きに一定の期間・費用がかかります。また区分所有権が競売された場合、滞納管理費は「特定承継人への承継」(区分所有法8条・7条)により新オーナーへ請求できる点も実務上極めて重要です。留置権(民法295条〜302条)との対比では、留置権は「牽連性(債権と目的物の関連性)」が要件であり、管理費滞納と専有部分全体の牽連性は問題になります。判例は建物全体の留置を認めず、工事施工部分との牽連性を要求しています。実務応用として、滞納管理費の特定承継人への請求(区分所有法8条)と先取特権の競合関係は重要な論点で、最判平成17年6月14日は「特定承継人は前所有者の滞納分も承継して支払う義務を負う」と判示し、新区分所有者・競落人へ請求できる根拠となっています。上位資格との接続:宅建士試験では「先取特権・抵当権・賃借権・対抗要件」が物権の優先関係で頻出であり、マン管の管理費先取特権と抵当権の優先関係は宅建の応用版として整理すると効率的です。なお2023年改正区分所有法(2024年4月施行)では、管理不全マンションへの対応として先取特権の実行手続の簡素化(裁判外実行の検討)も議論されています。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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