マン管 民法・区分所有法 問18:物権
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンションの売買・担保に関する登記(対抗要件)に関する次の記述のうち、民法及び不動産登記法の規定及び判例によれば、最も適切なものはどれか。
- ア売買契約によりマンションの所有権が買主に移転するのは、売買代金が完済された時であり、登記を備えた時ではない。
- イマンションの所有権を取得した者は、登記を備えなければ、いかなる第三者にも所有権の取得を対抗することができない。
- ウ同一のマンションについて、売主から二重に譲渡を受けた二人の買主(二重譲渡)の場合、先に登記を備えた者が所有権を取得する。正答
- エ不法行為によりマンションの所有権を侵害した者(不法占拠者)に対しては、所有者は登記なくして所有権を対抗できない。
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不動産の所有権は「売買契約の成立時(意思の合致時)」に移転します(ア:誤り。代金完済時ではない)。二重譲渡の場合は「先に登記した方」が勝ちます(ウ:正しい)。不法占拠者(例:正当な理由なく居座っている人)には登記なしで対抗できます(エ:誤り)。正答はウです。
民法176条は「物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる」(意思主義)と定めており、所有権移転は代金完済でなく契約成立時(合意時)に生じます。アは誤り。民法177条は「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない」と定めます。ただし「第三者」は「登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者」に限られ(最判昭和31年4月24日)、不法占拠者は「正当な利益」がなく、登記なく対抗できます。エは誤り、イも「いかなる第三者にも」という絶対的表現が誤りです。ウが正答であり、二重譲渡では先に登記した者が177条により所有権を確定的に取得します(最判昭和25年12月19日)。
民法177条の「第三者」(登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者)の解釈は判例法理で精緻化されています。①当事者・包括承継人(相続人):「第三者」に含まれない→登記なく対抗可。②不法行為者・無権原占有者:正当な利益なし→登記なく対抗可(最判昭和25年12月19日)。③善意の不法行為者でも正当な利益がなければ第三者に含まれない。④取消後の第三者(詐欺取消の場合・民法96条3項)・時効完成後の第三者(最判昭和33年8月28日)は177条で処理。⑤背信的悪意者(二重譲渡において後の買主が売主・前の買主の存在を知りながら積極的に関与した場合)は「第三者」から排除され、後の買主は登記を備えても保護されない(最判昭和43年8月2日)。マンション実務で重要なのは①競売落札後の登記前転売・先取特権の実行と登記の優先関係、②区分所有権の二重譲渡(新築分譲マンションの二重売り)の処理です。また不動産登記法上の登記原因(売買・贈与・相続・競売等)・登記の種類(本登記・仮登記・予告登記廃止)・マンションの区分建物の登記方法(建物区分登記・敷地権の登記)も関連論点です。敷地権の登記がある場合、専有部分の売買に伴い敷地利用権が一体移転することが登記記録に反映されます(不動産登記法46条)。2024年4月施行の相続登記義務化(不動産登記法76条の2:相続取得から3年以内に登記義務)もマン管試験に関わります。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。